なにやらいつまでたっても開通しなかった北京の新しい地下鉄。オリンピックを目前に控え、本当にやる気があるのかどうなのかさっぱりわからなかったが、先日の 7/19 ついに開通した。開通したのは 10 号線(第一期)、オリンピック公園支線、北京首都空港鉄道線の三線が同時。
どうでもいいがこの地下鉄、7/18 の段階では「週末に開通」とだけ発表されており、それが 19(土)なのか 20 日(日)なのか全く不明だったのだけれど、19 日の朝になって突然新聞で「今日開通!」と報道された。まあなんともいい加減というか行き当たりばったりというか。
しかし、どうしてここまでギリギリまで何も決まらないのか。そもそも中共の御用記事しか書かない(書くことが許されていない)中国の新聞は、突っ込まれて政府関係者が困るような内容は取材して報道するようなことはしないので、結局こういうドタバタも永遠の謎になるのだろう。いやまあ、こんなことは中国では良くあることですか。
ともあれ新しい地下鉄の開通である。しかもそのうちの一路線、10 号線は我が家のすぐ近くを通る。私は別に「鉄」成分は持ち合わせていないが、せっかくなのでさっそく乗ってみた。
地下鉄の入り口。そういえばいままで地下鉄の駅には駅名が書かれておらず、ただ単に「地鉄(地下鉄)」という看板しかなくて、いかにも中国らしい不親切さだったのだが、最近はきちんと駅名も表示されるようになった。というかこれが普通か。
自動券売機がいくつかならんでいるものの、なぜか実際に稼働しているのは一台のみ。北京の地下鉄は 2 元(約 30 円)一律料金になっており、一度切符を買えば基本的にどこまでもいける。今年になって既存の路線で既に自動券売機は導入されているが、まだ市民権を得ていないのか、利用客の多くは今ひとつ使い方がわからないようで遠巻きに眺めている。
ところで市場で普通に使う 1 元のほとんどはお札で、コインは滅多に見ることがない。ところがこの券売機、どういうわけだかその 2 元の切符を買うのに使えるのは 1 元コインか 10 、20、50、100 元の札のみという仕様になっている。なんでそんな変な仕様なのか、とよく考えてみると、確かに中国のお金は折れたりちぎれていたり謎の付着物が着いていたりと、一般的に非常に汚い。特に 1 元札は紙質が薄めのこともあってか、そのほとんどがヨレヨレのヘロヘロ。券売機で読み込めないものがほとんどだろう。おそらくそれを見越して最初から 1 元札を使えなくしているのではないか。まあ確かに懸命な措置だと思うが、その前に人民にせめてお金は大切に扱うよう指導した方が良いのではないか。
そして出て来たカードがこれである。IC チップ入りかと思ったら、単なる磁気カードっぽい(詳細不明)。結構コシはあるが非常に薄い。ちゃんとポケットに入れておかないと、何かの拍子に無くしそうである。
改札ではカードをここにかざすとゲートが開く仕組み。この自動改札システムも他路線ではすでに導入済みだが、自動改札になれていない北京市民は右側でなく左側(もう一つ隣のゲート)にカードをかざしてしまったり、ちゃんとタッチしなくてゲートが開かず「壊れてる壊れてる」と大騒ぎしたり、整備不良なのか、いくらやっても本当に全然開かないゲートが続出したりとだいぶ混乱したらしい。私も本当に開くのかちょっとドキドキしたが、問題なく通過できた。
ホームはガラスで仕切られているタイプ。押し合いへし合いの北京市民が殺到しても線路に転落しないようになっている。乗ったのは昨日の日曜日だったが、結構混み合っていた。
車内はこんな感じ。味も素っ気もないというか、取り立てて特筆するところはないが、さすがに出来たてホヤホヤなので綺麗で清潔である。乗り心地も揺れや騒音が比較的少なくてまずまず。
そんなわけで、とりあえずたったの一駅だけだったが新路線の初体験である。そういえばいよいよ昨日(7/20)から北京市内でのナンバープレートの偶数・奇数による交通規制が始まった。この地下鉄もその規制に何とか間に合ったというところだが、はたしてこれから二ヶ月間の交通規制とその期間中の平日、朝夕のラッシュ時に道路の状況がどうなるか、地下鉄の混雑がどの程度になるのか、ちょっと注意しておく必要がある。