出かける前、北京は日中でもなんとなく肌寒いぐらいの気候だった。しかし飛行機に三時間乗って着いた中国南部の都市は真夏並みの暑さであった。なにせ昼間の最高気温が 30℃、湿度は優に 90% はあろうかという案配。深センは限りなく香港に近く、亜熱帯気候の街であるから、これだけ蒸し暑いのも当たり前と言えば当たり前だけれども。
しかし、ようやく春の暖かさが訪れた北京から来ていきなりこれだけの熱気に包まれると、体の温度調節機構がついていけない。しかも蒸し風呂状態のおもてから建物に一歩入ると、今度はキンキンに冷えた冷房地獄が待っている。もうこうなると暑いんだか寒いんだか良くわからないことになる。実は深センに行く前から少し風邪気味で、これはちょっとまずいかも、と思っていたら、案の定こんな状態に放り込まれて一気に症状が悪化。初日はかなり熱っぽく、体もだるくて相当辛いことになってしまった。だが街の薬屋で買ってきた風邪薬を飲んだらすぐに良くなったから助かった。まあこれも風邪薬が本当に効いたのか、単に体が南国の気候に順応したのか、はたまた連日しこたま飲んだ白酒が体の内部から殺菌したのかは定かではないが。いやしかし、今回の出張も飲んだですよ。嫌と言うほど。
さて、日本は現在ゴールデンウィークまっただ中だが、中国も日本と同様にゴールデンウィークがあって、「労働節(いわゆるメーデー)」である明後日の 5/1 から 5/7 までの七日間が法定のお休み期間になる(ちなみにこの土日は出勤で、この分が連休へ振り替えになる)。通常の企業や学校は七連休になるわけだが、私を雇用する北京の会社は 5/9 が創立記念日なので、その分を 5/8 に移動して合計八連休の長期休暇となるのであった。素晴らしい。
で、連休中は日本から友人夫妻が遊びに来る予定になっている。せっかく日本からやって来てくれるのだし、あちこち連れ出してやりたいところだが、しかし中国でも日本と同様に黄金週間は絶好の行楽期間でもあり、北京郊外の万里の長城や明の十三稜などの観光地は物凄い人出になるらしい。わざわざ日本から来たのに、何も好きこのんで人混みの中に突撃するのもどうか、ということで遠出するのは断念。主に食い倒れに集中する予定だ。さて何を喰わせてやるかねえ。やはり白酒はマストですかね。