私を雇用する北京の会社は、お陰様で最近非常に忙しい。それもこれも私を雇用する北京の会社の製品をご愛顧いただいているユーザ様のお陰であり、私などは足を向けて寝られない思いである。問題は我が愛するユーザ様は世界中に遍く存在しており、したがって本当に実行するとなるとどの方向にも足を向けられないので地面に垂直に逆立ちして寝るしかないわけだが、いやそんなことはどうでも良く、ありがたいことに工場の生産量も大幅増産体制となっているのであった。
しかし昨今のあまりの増産で、このままでは生産ラインがにっちもさっちもいかなくなりつつあるのが現状である。これはいわゆる一つの嬉しい悲鳴という奴なのかもしれないが、ただ座して悲鳴を上げているだけでは何の解決にもならない。そこで諸々を検討の末、ついに来月から二交代制のシフトを組むことになった。
それはそれで景気のいい喜ばしいことである。しかし一般的な九時から五時まで勤務から二交代制に勤務体系を大きく変えるとなると、新しい給与体系の導入や、従業員の送迎や遅番、早番時の食事の準備、その他諸々の事務的な事項まで、様々な問題や検討しなければならない事項が持ち上がるのは必定である。
そのうちの一つが安全面の管理だ。特に工場施設の防犯、衛生、安全管理をどうやって実現するかが課題である。そもそも私を雇用する北京の会社は、会社の規模的にも工場施設的にもそれほど大きいところではない。工場施設は北京市郊外の某開発地区にあるのだが、その建物の朝晩の鍵の開け閉めやらその他諸々の管理やらは、特に管理人などを雇うことなく社員が行っている。二交代制が実施されたといってもその状況が変わることはなく、したがって早朝に誰かが建物の解錠を行い、そして終業後には同じく誰かが安全チェック、そして全体の鍵締めをやらなければならない。
しかしさすがにそれを一般社員にやらせるには問題がある。そこでこれまた検討の末、管理職が持ち回りでその役目を担うことになった。で、これまた検討の結果、当番の日は朝の始業時から夜の就業まで、全ての責任を負うということになったのである。実際には六時の早番開始にあわせて会社を開け、その後普通に勤務した後、遅番が終わる夜九時半に鍵を閉めて帰るという、都合 15 時間半勤務の長丁場になるわけだ。会社の肩書き的にはエライ人である私も、当然ながらその鍵開け、鍵締めの当番を担当することになったのだった。
となると当番の日、私の一日はどうなるのか。早番は朝六時に始業なので、最低でも五時半には会社に到着している必要がある。家から会社まではタクシーを使うとして、早朝の空いている道ならば 20 分も見ておけば十分ではある。しかし一応余裕を見て五時に家を出発。となると、朝の身支度だなんだで小一時間かかるから、つまるところは四時起きですか。むはー。
まあ当番の日は週に一回のことなので、その日だけ頑張ればなんとかなるとは思う。しかし逆に週にそういう日が一日だけポコッとあると、慣れるも何も無い気もする。それに早朝と夜間は余計な電話やメールはこないし時間の取られる会議もない。そういう意味では上手く使えば自分の仕事に集中できる貴重な時間になりそうではある。であるがともかく朝は早い。やたらと早い。とてつもなく早い。なにせ朝の弱い私である。はたしてどうなることやら。
そしてその試行期間の当番日が明日である。長い一日になりそう。
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