横浜の実家での週末。前日までに比べると幾分痛みが引いてきたような気がするが、それでも夜中に何度かピリピリとした痛みで目が覚める。医者は少なくとも二週間は痛みが続くと言っていた。当分は寝不足を覚悟しなければならないかもしれない。
現在の日本における一般的な家庭の中で、ディジタル・ディバイドのおそらく最下層に位置すると思われていた我が実家にも、この度ついに PC とネット接続環境が導入されたのであった。以前から株式投資を趣味(?)としていた親父が、最近流行のネット・トレードをやってみたいとのことで、一念発起しての PC 購入と相成ったわけである。しかしメカ音痴が揃う我が一族のこと。どれをどうすればいいのかてんでわからない。そこで私の登場となるわけだが、あいにく私は異国の地で生活する身。事前に電話で相談を受けたものの、とりあえず今度日本に帰るのでその時にでも、となるはずだったのに、私が帰国するまで待っていられなかったのか、すでに近所の量販店で PC を購入し、ネット接続の契約まで済ましていたらしい。普段面倒くさがりのくせに、一旦事を決めるとその後の行動は異常に早い。
とりあえず PC 自体のセットアップは終了していたので(量販店に出張サービスしてもらったらしい)、後はネットへの接続、Windows のアップデート、アンチ・ウイルスソフトウェアの導入などをサクッと済ませ、一通り基本的な操作の仕方を教授する。なんでも最近、近所の公民館だかで開かれている無料のパソコン教室に通っているそうで、たどたどしいながらも一応キーボードを打つことが出来るのには驚いた。指先を動かすのはボケ防止に良いんだよ、と本人は笑うが、あの親父がポチポチとキーボードを打つ姿は、なにかこう、新鮮な感動を覚えるのだった。これでキーボード操作にもパソコンにも慣れたら、そのうち私にメールでも寄越してくることになるのだろうか。世の中、ここまで来たかと改めて思う次第。
アンチ・ウイルスソフトウェアをインストールしてあるとは言え、さすがにネット直結だとちょっと気持ちが悪いので、PC とモデムの間にかますルータと、Skype を使うときのヘッドセットを買うために横浜駅前のヨドバシへ向かう。週末とあってか店内はかなりの混雑。「任天堂 DS Lite 売り切れました」という手書きの看板があちこちに置いてあり、その手前で肩を落とす人がチラホラと見受けられる。噂には聞いていたが、そんなにも売れてるのか。個人的にはそれほど食指は動かないのだけれど。
そういえば横浜駅周辺をブラブラ歩いている時に気がついたのだが、いつの間にか東急東横線の横浜駅が地下駅になっていたとは。そうか、みなとみらい線が出来たときに地下に移設されたのね、っていつの話だそれは。もうすっかり私は横浜の人ではなくなっている。
その東急東横線に乗り、白楽駅に移動。駅近くの居酒屋で古い友人達と飲み。アルコールを飲み始める当初は血流量が増えるからか、帯状疱疹の痛みが増す。しかし杯を重ねるに連れ血中アルコール濃度が増えてくると、今度は徐々に痛みが減ってくる、ような気がする。単に酔っぱらって痛いのかなんなのかわからなくなっているだけなのだろうけど、なんにせよ痛くないのはありがたい。日本酒、焼酎をグビグビと飲み、馬鹿話を一くさり。
夜半過ぎタクシーで帰宅。風が強いものの、横浜の夜はもうかなり暖かい。あと少しすると桜も咲き始めるだろうか。