FIA ワールドモータースポーツカウンシルが 7 月 5 日にパリで開催され、2007 年の WRC 年間スケジュールが発表された。
■2007 年暫定カレンダー発表(wrc.com)
事前には 2007 年 1 月から 6 月までを 2007 年シーズンとし、8 月から翌 2008 年 6 月までを 2008 年シーズンとするいわゆる「ウィンターシーズン制」が導入されることが確実とされていたが、しかし今回の発表でその案を撤回。これまでと同様の通年スケジュールとすることを決めたとのこと。ううむ、そうきたか。正に寝耳に水というか、じゃあ一体今までの大騒ぎはなんだったんだという感じ。
気になるカレンダーは、キプロス、トルコ、オーストラリアが WRC から脱落。代わってノルウェー、ポルトガル、アイルランドが昇格となった。結果としてはよりヨーロッパ指向が高まったことになったわけだが、これは参加チームにとっては主にロジスティクスなどの面でのコストダウンを考えるとやむなしというところだろうか。個人的には二度 WRC を見に行ったオーストラリアがカレンダー落ちしてしまったのが残念。ただ現時点ではのカレンダーは暫定であり、但し書きとして追加があるかも、とも取れる発表になっているので、オーストラリアは開催場所を西海岸のパースから東海岸に変更すれば復活する可能性も無くはない。でもその場合は全 17 戦になってしまうけど。
また、これまた個人的には真っ先にカレンダー落ちするだろうと思っていたラリージャパンは、目出度く第 14 戦として 10 月 26~28 日にかけて開催される。スバル、そして来年からの参戦が予定されているスズキという二つのマニュファクチャラーを抱えている日本だけに、さすがの FIA としてもシリーズに留めておく意味は大きいと判断したのだろうか。しかし 10 月下旬の北海道って結構寒いだろうし、下手すると雪が降っているのでは。走る方も見る方も寒さと雪対策に悩まされそうな予感。
ちなみに 2008 年ウインターリーグからの WRC 参加を宣言し、マシン開発を進めてきたスズキに関しては、スケジュールを約半年前倒しする必要がある。いきなり半年早めろと言われても相当大変、というかいくらなんでもそれは無理なんじゃないかという気もするが、できれば来年のモンテから期待の WRC マシン SX-4 で参加してほしいところ。
その他、スーパーラリーシステムの改訂(順位と総合ポイントは全ラリー完走者のみに適用。各レグごとの 1~3 位に 3、2、1点のボーナスポイントを与える)、エンジンのコスト削減案、テスト制限、S2000 の PCWRC への本格参加、2008 年からのコントロールタイヤ導入(やはりピレリは撤退か)などが決定事項とのこと。これらの変更が参加マニュファクチュラーを少しでも増やす方向に働いてくれれば良いんですけどね。
■2007 年 WRC カレンダー■
Rd.1 1月19~21日 モンテカルロ
Rd.2 2月9~11日 スウェーデン
Rd.3 2月16~18日 ノルウェー(新イベント)
Rd.4 3月9~11日 メキシコ
Rd.5 3月30日~4月1日 ポルトガル(新イベント)
Rd.6 5月4~6日 アルゼンチン
Rd.7 5月18~20日 イタリア(サルディニア)
Rd.8 6月1~3日 ギリシア(アクロポリス)
Rd.9 8月3~5日 フィンランド
Rd.10 8月17~19日 ドイツ
Rd.11 8月31~9月2日 ニュージーランド
Rd.12 10月5~7日 フランス(コルシカ)
Rd.13 10月12~14日 スペイン
Rd.14 10月26~28日 日本
Rd.15 11月16~18日 アイルランド(新イベント)
Rd.16 11月30~12月2日 グレートブリテン