日本ではもはや当たり前のパーソナルガジェットとなった携帯電話。中国でも日本同様に普及率はかなり高く、ある調査によれば昨年末で約 3 億人の携帯ユーザがいるという。今や世界一の携帯電話大国となった中国であるが、ここ北京でももちろんその普及率は非常に高く、電車に乗ったり街を歩いたりすると、必ず携帯で話している人を見かける。
ちなみに現在中国には、チャイナモバイル(中国移動)とチャイナユニコム(中国聯通)という2つの携帯電話キャリアが存在しており、日本でもおなじみの CDMA 方式と、ヨーロッパやアジアの多くの国々で使われているGSM 方式との二通りのシステムでサービスを提供している。しかし現在のところ CDMA はまだまだ始まったばかりとのことで、圧倒的に普及が進んでいるのは GSM だそうである。
ところで中国で携帯電話を利用する場合、日本と違って携帯電話単体だけでは使うことが出来ない。携帯本体の他に「SIMカード」という IC カードが必要で、このカードに様々なユーザ情報を記録し、携帯電話機に差し込んで利用する仕組みを採用している。SIM カードはキャリアにより販売され、たとえば同じ GSM の携帯電話であれば SIM カードを端末に差し込むだけでどの端末でも利用できる。つまり端末を買い替える際にはSIMカードを差し替えるだけで、キャリアでの変更手続きなしで手軽に変更可能なわけだ。
また GSM 方式は世界のほとんどの国で採用されているため、今中国で使っている携帯を多くの海外でもシームレスに使用することができるし、またその気になれば現地で気に入った端末を見つけて SIM カードを携帯本体に差し込めば、いとも簡単に携帯端末を乗り換えることもできる(いわゆる SIM ロック解除が必要だが)。北欧旅行のついでに本場 NOKIA のカッチョイイ携帯をお土産代わりに買ってくるってのも一興である。
ちなみに GSM が使えないのは、アメリカ、韓国、そして我が日本国である。まあ日本の PDC にもそれなりに良いところはあるわけではあるが、“国際化”という日本語がなんともむなしく感じる今日この頃であることよ。
それはそれとして、会社で携帯電話を買ってもらうことになったのである。実態はともかくとして、肩書き的にはそれなりにエラい私。仕事上でもいろいろ必要だろうということでのことだが、なにせここは中国である。今のところかけるところは非常に限定される気がしないでもないが、買ってくれるというものはありがたくちょうだいしたい。ちなみに中国語で携帯電話は「手机」(ショウジィ)という。
北京市内のチェーン電器屋に行きいろいろ見てみると、中国製の安いものから韓国製、海外物などいろいろある。今のところメジャーなのは韓国の SAMSUNG(三星)か、NOKIA、MOTOROLA あたりが人気が高いという。一応 NEC や Panasonic、三菱といった日本製もあるが、人気的には今ひとつらしい。値段的には安いもので 300 元(約 4,000 円)ぐらいからあるが、200 万画素カメラ付きなどの高機能タイプは日本の相場よりかなり高くて 4,000~8,000 元(約 52,000円~ 約 100,000 円)もする。
同僚の話によると「安物でも十分使える」ということだったが、予算の都合もあり迷ったあげくに選んだのは SAMSUNG 社製の SGH-E338 という端末。128x140dot の 65,536 カラー液晶、30 万画素の VGA サイズのカメラ付き、40 和音のサウンド機能と、スペック的には二昔前という感じだが、これで一式 2,500 元(約 33,000 円)也である。日本の感覚からするとちょっとお高い感じか。でもまあ、かなりコンパクトで丸みを帯びた筐体が結構可愛い。ブルーのキーライトもなかなか印象的。
さっそく使ってみようと電源を入れる。当然ながらメニューは全て中国語(英語モードもある)である。当たり前か。あれこれいじくってみると、とりあえず基本的な操作などはだいたい日本の携帯電話と同じなのでなんとか使えそうだ。だが電話帳の名前入力は、これもまた当たり前だが中国語でしかいれられない。ううむ。まあこれも中国語の勉強だと思ってすこしずつ入力していこうと思う。やたらと時間がかかるのが難点だが。