北京オリンピックまで残すところ 200 日。北京市内は盛り上がっているようなそうでないような微妙な状態だが、オリンピックへ向けての建築ラッシュや地下鉄の工事は急ピッチで進められているようだ。
そんな中、日本オリンピック委員会(JOC)と各競技団体が合同で競技施設や選手村の視察を行ったとのこと。しかし案の定というか何というか、いかにも中国らしいいい加減さ炸裂の状況に、皆さんご立腹のご様子である。
■北京五輪視察は制限だらけ JOCに不満が充満
1月18日18時7分配信 産経新聞
【北京=川越一】日本オリンピック委員会(JOC)と各競技団体による北京五輪の合同事前調査は最終日の18日、各競技施設や選手村の視察を行った。五輪開幕まで間もなく200日。今後、各国・地域選手団の視察も活発化するが、北京五輪組織委員会の視察に対する認識の甘さや中国の“スタンダード”とのギャップが早くも露呈している。
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「何を言っているのか分からないよ!」。午前8時半過ぎ、最初の視察地「選手村」で早くも日本選手団の福田富昭団長の血圧が上がった。
野球など独自に宿舎を手配する競技以外は基本的に選手村に宿泊する。休息を取り、英気を養う選手村の住環境は、各競技団体にとって最も気になる部分である。模型を使って五輪公園の配置などの説明を受けたが、拡声器などを用意していなかったため通訳の声が聞き取れない。細かい質問には答えられない。しびれを切らした福田団長は、自ら視察団に説明を始めた。
五輪閉幕後、「国奥村」の名前で一般に売り出される選手村は3~4LDKが中心。販売価格約310万元(約4700万円)~約870万元(約1億3000万円)の“高級マンション”だが、浴室の排水設備や部屋の広さは日本選手の要望との差が著しい。
日本水連の金子正子シンクロ委員長には苦い思い出がある。2004年アテネ五輪。選手村のシャワー室の床に仕切りなどがなかったため、シャワーを使うたびにお湯が部屋に流れだし、閉口した。北京五輪選手村の浴室も同様で、「我慢した方がまし」と、思わず愚痴もこぼれた。中国では自宅で湯船につかる習慣があまりなく、湯船の設置された部屋も少ないことが判明。湯船につかって疲れを癒す日本シンクロ陣にとっては懸念材料の一つとなった。
部屋の狭さも想像以上だった。ベッド2台が入った部屋はスーツケースを広げるスペースもない。過去の五輪ではリビングルーム部分が広かったため対処できたが、視察したモデルルームのリビングルームの広さではそれも不可能だ。
組織委で説明を受けた17日は、各分野の担当者が出席していなかったため競技団体からの細かい質問に答えてもらえなかった。メーン会場の国家体育場(愛称・鳥の巣)をはじめ、内部の視察を断られた競技施設も少なくなかった。
日本水連では水質の調査なども検討していたが、「プールの中が見られないんだから何もできない」と上野広治競泳委員長。選手村内部の写真撮影も理由の説明なく禁止された。制限だらけ、消化不良の現地視察に終わり、組織委の対応に対する不信だけが膨らんだ格好だ。
あからさまか巧妙に隠蔽するかは別にして、自国(というより中共か)さえ良ければ、あとはどうなろうが知ったことではないというのが、この国の基本的なスタンスである。それさえ意識すれば、この国が行っているほとんどの事柄が比較的簡単に理解できるわけである。国政も外交も、そしてオリンピックでさえも全く同じ論理で成り立っていると思えば、こうした状況も別段不思議でもなんでもないではないか。それでも一応はオリンピックだしな。全てが秩序立って、どこもかしこも清潔で、阿吽の呼吸が通じるサービスの良い日本と比べるだけ全く意味がないけれども。
ということで、二年半この地で生活し仕事をしてきた者として、ささやかな経験を元にオリンピックに参加する皆さんにアドバイスさせていただくならば。
期待しても、それは単なる時間の無駄。
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