日本はまた連休かーっ。
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もともとそれほどアクセス数の多くない本 blog だが、その少ない中でも WRC のことを書くと目に見えてアクセスが減るのだった。いかに FIA 公認の四輪自動車世界選手権とは言え、F1 あたりと比べると知名度という点でははるかに及ばない現状ではこれも仕方なし。まあ普通「ラリー」というと「パリダカ」ぐらいしか思い浮かばないよな。
そういえば今年のダカール・ラリーは安全上の問題により中止だったか。大変残念だが、昨今のアフリカの情勢をみればこれもまた仕方なし。こうしたお祭りが、何の支障もなく開催される平和な世界が少しでも早くやって来ることを心から願う。
それはともかく、2008 年 WRC も間もなく始まる。最初のイベントは例年通り伝統と格式のモンテカルロ・ラリー。去年は暖冬の影響でほとんど雪が無く、限りなくターマックイベントと化してしまったようだが今年はどうか。
WRC サーカスが始まる前に、フォードはフォーカス RS WRC 2008 年バージョンのニューカラーリングを公開した。
マシンのスペック自体は去年の 07 スペックと同じらしいが、外観で特に目立つのがスポンサーであるアブダビの巨大なロゴ。だいたいチーム名もこれまでの BP フォード・ワールドラリーチームから、BP フォード・アブダビ・ワールドラリーチームとなったことからもアブダビの影響力の大きさがうかがえる。ちなみにアブダビとは UAE の連邦首都のこと。元もと中東ではラリー競技はサッカーと並んで非常に人気が高い。そこにアブダビ観光局が着眼。観光客の呼び込みに力を注ぐアブダビと、さらなる資金集めを画策していたフォードチームとの思惑が一致。結果として今年はこうしたチーム体制になったらしい。そういえばアブダビは 2009 年には F1 が開催される。昨今の猛烈な原油高騰でウハウハ(死語)な資金力を元に、モータスポーツを通じて知名度向上に取り組む中東国はこれからも出てくるのかも。
フォードのドライバーのラインナップはすでに発表されているが、昨年いっぱいで引退したマーカス・グロンホルムの代わりにミッコ・ヒルボネンがエースに昇格。さらに去年ストバート M スポーツで大活躍したヤリ-マーティ・ラトバラがセカンドドライバーという体制。上り調子の若手を揃えた布陣は、かなり期待できる。しかしさすがに 4 年連続ドライバーズ・チャンピオンの王者セバスチャン・ローブにはまだ一歩及ばないか。とりあえず今年はマニファクチャラーズ・ポイント重視というところだろうか。
また今年から WRC にフル参戦するスズキも、スズキ SX4 WRC の新しいカラーリングを公開している。昨年までの無味乾燥な白ベースから、スイフトスーパー 1600 でおなじみのコーポレイト・カラーであるイエローをまとい、実にスズキらしいというか鮮やかな印象となった。
スズキの 2008 年のドライバーは、ベテランのトニ・ガルデマイスターと若手パー-ガンナー・アンダーソンという組み合わせ。ガルデマイスターはフォードやシュコダでワークスドライバーとして約 100 戦の WRC 出場回数をもつ。実力はそれなりにあるのに車に恵まれないなど今ひとつ不運なドライバー人生を送ってきたが、新規参戦チームで捲土重来を果たせるか。一方のアンダーソンは、スズキの下で JRC に参戦し、二度のドライバーズタイトルを獲得してている若手のホープ。初の WRC へのステップアップで相当気合いが入っているに違いない。とは言え、なにせ WRC 新規参戦一年目のチームとマシンである。さすがに上位争いに食い込むのはかなり厳しいだろう。だが何と言っても久々の新規加入マニュファクチャ、それも日本の自動車メーカである。日本人ラリーファンとしては是非とも頑張ってほしいもの。
今年の WRC はどんな年になるのか。モンテの開幕が楽しみである。
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