先日、中国国務院より、2007 年の祝日に関する通知が発表された。それによると、2007 年度もこれまでと同じように元旦の 3 連休、春節(旧正月)・労働節(メーデー)・国慶節(建国記念)の 7 日間連休が確保されている。それぞれのスケジュールは以下の通り。
◆元旦: 1 月 1 日(月)~3 日(水)まで休み
◆春節: 2 月 18 日(日)~2 月 24 日(土)まで休み
◆労働節: 5 月 1 日(火)~5 月 7 日(月)まで休み
◆国慶節: 10 月 1 日(月)~10 月 7 日(日)まで休み
中国では近年、一週間にわたる大型連休を廃止しようとする動きがある。連休になると、いわゆる「民族の大移動」が起こるため、特に交通機関が大混雑してエラいことになるという問題があったからだ。また近年の旅行ブームで、国内の観光名所に一時に大勢観光客が押し寄せることになり、観光資源や自然破壊も問題になっている。さらに国民が一斉に長期の休みを取ることで、株式や不動産市場の健全な発展にも悪影響があるという考え方もあるそうだ。それに呼応して最近は中国古来からの伝統行事である、清明節・端午の節句・中秋の節・除夕(春節の大晦日)を休みにしようという議論も起こっており、法定休日の 3 連休をそれぞれ削減して、振り分けようとする案も検討されたこともあった。
と、いろいろ議論はあれど、結局のところ 2007 年度も従来どおりの連休制度が施行されることとなった。なんだかんだ言っても長期の休みとなれば、旅行だレジャーだと個人消費を刺激することになり、それら業界への経済効果が期待されているのは間違いない。さらには現在の中国の雇用状況の厳しさを考えると、こうして半ば強制的に休日を設定しないと、そうそう長期の休暇をとることができないという事情もある。
ところでこれら祝日の日程を見て、中国って結構休みが多いのね、と思われるかもしれない。しかし実際にはそんなことはない。表向きは新暦の元旦が 3 日、春節その他三つの長期休暇がそれぞれ 7 日間で、計 24 日の休みとなるわけだが、たとえば元旦の場合は新年 1 月 2 日と 3 日の替わりに年末の 12 月 30 日、31 日の土日が出勤日となるので、実質的には 1 月 1 日分のたった 1 日しか休みがないことになる。春節の場合では、2 月 21日(水)、22 日(木)、23 日(金)の振り替えとして 2 月 17 日、18 日、25 日の土日が出勤日となって、こちらも実質 3 日間の休みのみ。労働節と国慶節も同様で、合計すると本当の休日は年間で 10 日しかないわけである。
ちなみに世界各国の祝日数を調べてみると、アメリカは年間 10 日、フランスは 11 日、ドイツ 9 日、オーストラリアも 9 日、スウェーデンが 13 日、イギリスが 9 日、そして日本は 17 日とのこと。欧米各国が意外に少ないような気がするが、これはあくまでも国が決めた祝日数であって、各州や県、地方によってさらに休みの日が追加され、実際はこの日数よりももっと多いのが一般的であるらしい。それにしたって日本の 17 日ってのはこうして調べてみるとかなり多いことがわかる。それもそのはず、日本の祝日数は世界最多だそうである。そうだったのか。
さらにちなみに、世界最多の祝日数を誇るところは他にもあり、それは中国のお隣、というか 1997 年に中国に返還された香港である。香港は中国とは違い独自の法定祝日を設けているそうで、中国の祝日に加えて香港だけの祝日があり、また長い間イギリス領であった習慣からか、イースターやクリスマスなども休みになっている。正に中洋折衷、双方いいとこ取りというか、本土に暮らす人間としては羨ましい限り。私を雇用する会社も、北京じゃなくて香港に作ってくれればよかったのに。
一週間丸々の休みが年に三回あるので、それはそれでありがたいことではある。けれど、日本と比べると本当の休みは圧倒的に少ない。でもまあ郷にいれば何とやらという言葉のとおり、中国で暮らし働いている以上、これも致し方なし。それでも何となく損した気になるのであった。
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