現在の中国では、表向きは信仰の自由が認められている。しかし日本のように真っ当だろうが怪しかろうが何でもかんでもオッケーというわけではもちろんない。特に政府や中共に批判的だったり干渉を拒否する団体への弾圧はかなり厳しく、信者や信徒の逮捕がごく日常的に行われている。あくまでもお上のお墨付きされた範囲でのみの自由である。
で、クリスマスはどうかというと、中国政府はこのイベントに対して静観、あるいは積極的ではないながらも認めているようではある。しかしそれはクリスマスがもたらす商業利益に期待しているだけで、あくまでも経済的見地のみの「歓迎」である。クリスマスの風習が広まることで、強い宗教信条が政府の権威を揺るがす可能性もあると警戒している。
そんなことはどうでもよく、本日はクリスマスイヴ。普段は排気ガスと霧に包まれ、モノトーンの北京の街も、この時期ばかりは赤と緑のクリスマスカラーに染まるのだった。我が家も街に繰り出し、近所の寿司屋で大連産の新鮮なネタに舌鼓を打つ。クリスマスに寿司もどうかと思うが、こういうイベントの際に思いつくのはやはり寿司なのである。まあこれも海外に住む者の、ある種の望郷意識なのかもしれない。
ちなみに喰いに行った寿司屋は、建外 SOHO にある「江戸前寿司」。現在、北京に住む日本人の間では、そこそこの値段で高レベルの寿司が喰える店として知らない者はいないであろう有名店。実際私も何度か喰ったが、いつ来てもここの寿司は美味い。今日はちょっと酢飯がきつい気がしなくもないけれど、ネタは新鮮だし旨味も高い。ヒラメはぷりぷり、中トロ、大トロは口の中でとろけるようだ。かんぴょうも厚焼き卵も上品な味付け。今日は喰わなかったが、ここの生牡蠣は絶品である。
ということで、我々が寿司を喰っている間、翡翠さんは一人でお留守番である。我が家にやって来てちょうど一週間。早くもすっかり慣れた様子で、家中を走り回っているのだった。
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