気がつけば七月も早半ば。別に意識がぶっ飛んでるわけでもないはずだが、一週間なんてあっという間に過ぎ去ってしまう。まあなにせ忙しいったらありゃしないわけですが。
で、忙しい関連というわけでもないけれど、最近目に付いた中国ニュースをご紹介。
中国社会科学院社科文献出版社から「中国人材発展報告 3」なる報告書が出版された。この中で、昨今の中国のサラリーマンを中心に、いわゆる「過労死」が深刻な問題になっていることが明らかにされたとのこと。この報告書によると、現在、北京で働く知的労働者を中心に、その七割が過労死の危険性に晒されており、最悪、北京の知的労働者の寿命を平均五歳ほど下げてしまう可能性があると指摘している。
事実、過去 10 年にさかのぼって北京市の知的労働者の平均寿命を分析すると、10 年前の 59 歳前後から最近では 53 歳前後にまで急落。これは北京市の平均寿命である 75.85 歳と比較しても大幅に短い。その背景として、相対的に低い所得とストレスの増加、激化する競争、価値観の違いなどが、知的労働者に過度の労働を強いられている原因だ、と報告書では分析している。
「知的労働者」の定義と内訳についてはよくわからないが、一般的な定義である「自分の知識を活用し、判断を下し、リーダーシップを発揮することによって報酬を得る」職業であるとすると、たとえば医者、弁護士、会計士、エンジニア、企業経営者などだろうか。急激な高度成長を続け、恐らく世界でも有数の弱肉強食の資本主義がまかり通るこの国で、いわゆるところの「知的労働者」に対するプレッシャーは相当なものだろう。
それにしたって彼らの平均寿命が 53 歳前後というのは驚きである。最近の食習慣の欧米化、運動不足などの要因が複合的に絡み合って、中国でも心臓や脳血管疾患などが急増しているというデータは知っていたが、これは特に彼らを直撃した結果なのかもしれない。それはそれとして、このあたり上手くすればビジネスのネタになりそう、と思ってしまうのは不謹慎だろうか。
で、私である。「パワーエリート」なんてかっちょいい人間では全くないけれど、一応、肩書きの上では「知的労働者」にカテゴライズされる気がする私。特にこうして中国にやってきて仕事をすれば、良くも悪くも様々なプレッシャーは絶え間なく襲いくるわけである。それでも仮に何かあっても飯喰って不貞寝でもすればすぐに忘れてしまうのが私の特技であり、自分ではストレスの溜まりにくい性格だと思ってはいる。けれど、こうしたデータを他山の石としないでいろいろ気を付けていきたいところだ。50 歳そこそこでくたばるわけにもいかんもんな。
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