昨年 11 月のラリー・オーストラリアからのオフシーズンも終わり、いよいよ 2006 年 WRC が始まる。第一戦はもちろん伝統と格式のモンテカルロ・ラリー。
2005 年はワークスが 6 チーム参加していたが、2006 年はプジョー、シトロエン、シュコダ、三菱と 4 つものワークスが撤退するという異常事態。一体今年はどうなるのかと思ったが、しかしそれぞれプライベーターという形でなんとか参加することになり、ドライバーのラインアップはそれなりに揃って開幕戦を迎えることになった。一応は形になったというところだが、しかし WRC をとりまく環境が大変厳しいことには変わりはない。だがそれでもシーズンが始まればドライバーやチームがそれぞれ切磋琢磨し、ワクワクするような素晴らしいバトルを繰り広げてくれることを期待したい。
ということでモンテカルロだ。優勝候補のセバスチャン・ローブ(クロノス・シトロエン)、マーカス・グロンホルム(フォード)、そしてペター・ソルベルグ(スバル)のいわゆる「ビッグ・スリー」の三人に絞られると思われるが、やはり筆頭は過去三年連続優勝を決めているローブか。北欧出身のソルベルグとグロンホルムは雪国育ちのくせになぜかモンテカルロと相性が悪く、フランス人のローブはドライでもスノーでも速い。ただ完全に刷新された新型フォーカスと 2006 年バージョンのインプレッサのパフォーマンスはかなり期待できそうだし、一方のローブのクサラは昨年型なので、マシンについて言えばソルベルグとグロンホルムは有利。それでもモンテカルロで圧倒的な強さを見せるローブの前には苦戦は必至だろう。二人に勝機があるとすれば、天候とタイヤ選択の当たりはずれ、もしくはローブの自滅を待つぐらいかも。
ということで、いよいよ始まったモンテカルロ・ラリーだが、初っ端から大混乱。渋滞で 11 台しか SS1 のスタートにたどり着けず、続く SS2 も11台だけ。他の選手はそのままモナコのサービスに戻り、SS3 はキャンセルになってしまった。とりあえず午前の段階ではローブが二位以下に 1 分半以上の差を付けてトップを独走。
その後、午後のリピートステージでも SS4 でローブがトップタイムを叩き出し、今年もこのままローブ快勝かと思われたが、SS6 でまさかのスピン。道路から 10m ほど転落し、リタイアとなってしまった。ローブがコースオフしてリタイヤするのも珍しいが、でもこれで俄然面白くなってきた。SS6 でベストのグロンホルムが 2 位クリス・アトキンソン(スバル)に 1 分 23 秒の差をつけてトップ。しかし一方のソルベルグはモナコへ戻るリエゾンの途中でエンジンオイルが漏れ、あえなくリタイア。なんだか昨年からの悪運がまだ続いていますなあ。
以下、3 位はトニ・ガルデマイスター(アストラ・プジョー)。4 位はジル・パニッツィ(シュコダ)。昨年のモンテカルロは三菱で表彰台に上がったモンテ・スペシャリストだけに、是非とも今年もポディウム・フィニッシュを目指してほしいところ。これで上位陣に波乱が起きて、シュコダ初優勝!となれば異常に盛り上がるのだが。ラリーアート・イタリーから出走しているジャンルイジ・ガリ(三菱)は序盤二位につけ、某巨大掲示板で久々の「ガリガリ君祭り」が勃発する好走を見せながらも、SS4 でステアリングが壊れ、残念ながらリタイア。嗚呼、またかよガリガリ君…。
ラリーはまだ二日を残す。はたしてこれからどうなるか、まだまだ分からない。
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