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元々ドイツの TV 番組用に収録され、また日本でも NHK の音楽番組「YOUNG MUSIC SHOW」で TV 放映された 1977 年 10 月 20 日にミュンヘン・オリンピア・ホールで開催されたライヴを収めた RAINBOW の伝説の映像が、28 年の年月を経てついにオフィシャル・リリースされた。
「ミュンヘン・ライヴ」が DVD 化されたことも凄いが、しかもこれはライヴの模様をノーカットで収めた完全コンプリート版というから素晴らしさ倍増である。あの「オズの魔法使い」の「Over the rainbow」を使ったライヴ開始場面から、最後の Ritchie Blackmore 師匠によるギター破壊に至るまで、壮絶なライヴの模様を余すところ無く堪能できる。
こうして RAINBOW のライヴ映像が拝めるだけでもありがたいのに、しかも当時、ロック市場に燦然と輝く名盤「Rainbow Rising」を発表し、バンドとして乗りに乗っている時期だっただけに、ともかくそのパフォーマンスは凄まじいの一言。カリスマのオーラを強烈に発散させつつ、ストラトキャスターをまるで悪魔の如く自在に操る Ritchie 師匠、スタジオ盤をはるかに凌駕する、一種神懸かりな咆哮で度肝を抜く(ジーンズの月と星のアップリケが可愛い)Ronnie James Dio、そしてシンバルの叩き方が世界一格好いい豪腕ドラマー故・Cozy Powell。この、いわゆるところの「三頭政治 RAINBOW」が繰り広げるパフォーマンスは、正に鬼気としか言いようがない。
ともかく最初から最後まで、一瞬たりとも目が離せないが、なかでもクライマックスはやはり Cozy のドラムソロだろう。チャイコフスキーの "1812" にあわせて壮絶なプレイを見せるあの有名なドラムソロの、このあまりの格好良さはどうだ。TV 画面の前で涙で瞳を潤わせながら、狂ったように「エア・ドラム」をしてしまった私である。世にドラマーは多けれど、はたしてここまでカリスマだった人がいるだろうか。本当に、惜しい人を亡くしたものだ。
そういえばこの映像は、今も横浜駅西口にある某練習スタジオのロビーで、私が高校生だった当時、たまに流れていたのを思い出した。バンドの練習が終わってロビーで一息ついている時、皆で食い入るように見つめていたものだ。それから幾星霜。よもやこうしてまた見ることができるとは。生きていれば良いことの一つもあるもんですな。
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