仕事が鬼のように忙しかったり自宅のネットが不調だったり(あるいは単に面倒くさかったり)、なんだかもう書くべき時期を完全に逸した感があるが、しかし北京に居するものとして、やはり避けて通るわけにはいくまい。開催日から 1,000日前を記念した先日、ついに発表された、例のアレである。
北京オリンピックのマスコット、「福娃」五人組の登場である。ちなみに「福娃」とは中国語で「幸せをもたらす赤ちゃん」という意味。ちなみにそれぞれの名前と属性は以下のとおり。
青・・・貝貝(Beibei):魚
黒・・・晶晶(Jingjing):パンダ
赤・・・歓歓(Huanhuan):火(聖火)
黄・・・迎迎(Yingying):チベットカモシカ
緑・・・妮妮(Nini):ツバメ
これら五人の名前を順に合わせると「貝晶歓迎妮(Bei Jing Huan Ying Ni)」、つまりは「北京歓迎你(Bei Jing Huan Ying Ni:ようこそ北京へ)」となるわけだ。ようするに中国式の当て字というか、一種のダジャレになってるんですな。
それにしても歴史を紐解くまでもなく、この手のマスコットキャラクタは往々にして微妙な雰囲気を醸し出しがちなものだが、今回もそのご多分に漏れずなんとも形容しがたい造形ではある。あくまでもキャラクタとしてはさりげなく、それでいてどう見ても中国テイストと一目で理解できるデザインとはなんたるや。往年の「リンリン・ランラン龍園」を彷彿とさせるレトロ風味な画風を見るにつけ、その難題にどうにかして回答を出そうとしたデザイナの心の苦しみが今にも聞こえてきそうだが、考えすぎてわけがわからなくなった結果こうなった、という気がしないでもない。悪くはない。確かに悪くはないけれど、これでホントにいいのかと、問いたくなる私である。どうでもいいが、各キャラクタの頭上に冠する物体。私にはどう見ても縄文土器にしか見えない。
ちなみに北京オリンピックのキャッチフレーズは「ひとつの世界、ひとつの夢」。そんなこと言ってるくせにマスコットは五人かよ。しかも一人は最近なにかと喧しいチベット方面ときたか。こういうあたりに今の中国が内包する微妙なアンバランスさが感じられて味わい深い。
ともあれ、キャラクタの決定である。これから三年後のオリンピックまで、北京の街ではこれらキャラクタをあちこちで見かけることになるだろう。実際、早くも近所のコンビニでは、各キャラクタが描かれたコカ・コーラがひな壇になって大量陳列されていた。ずらっと並んだパンダの目が異様に黒くて、ちょっと怖い。
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