と興奮していても仕方がないので、まずは使うための準備である。付属の CD-ROM から iTunes の最新版とドライバをインストールして、次におもむろに iPod shuffle を PC のUSB ポートに接続する。メモリのフォーマットが終わると、すかさず iTunes が立ち上がって iPod shuffle の設定ダイアログが表示される。必要な項目を設定した後にメイン画面下部の「オートフィル」ボタンを押すと、HDD 内に登録されている音楽ライブラリから勝手に選曲して iPod shuffle へダウンロードが始まる。USB2.0 に対応している割には若干転送速度が遅めのような気がするが、しばらく待つと転送終了。そのままちょっとだけ USB ポートに差しっぱなしにして内蔵電池を充電し、これで準備完了である。簡単ですな。
肝心の音質は癖もなくフラットな印象。中域にはそこそこ艶があって、高域も変にギラギラせずに素直に特性がのびている感じ。全体的な音の粒状感もまずまずで、派手すぎず落ち着きすぎずなバランスもいい。ヘッドフォン型オーディオという特質と、これを使用するシチュエーションを考えると、十二分なクオリティだろう。
ただ私が主に聴くハード・ロック系のソースだと若干低域のボリュームが不足しているような気がする。試しに純正のインナーフォンを今まで使っていた iRiver のシリコンオーディオに付属していたものに替えてみると、低域の迫力が格段に増し、全体的な音質もグッと向上した。おおっ、さすがはゼンハイザー製のインナーフォン。これで北欧メロディック・デスの爆音ブラストビートも余すところ無く楽しめるわけである。Rock'n roll!
こういうガジェットものは所詮はおもちゃであって、無ければ無いで全く困らない。しかし質の高い豊かな「相棒」は生活に彩りを与え人生を楽しくしてくれる。それはこれに内蔵される音楽と同じである。音楽がなくても死にはしない。しかし生きてはいけない。私が生きていく上で絶対に欠くことのできない素晴らしい音楽を、手軽かつ高品質に耳に届けてくれるこの新しい「相棒」。しかも所有する喜びにも満ちている。当分楽しめそうである。