今年の夏は暑い。まあ日本の夏をフルに過ごすのは七年ぶりなので、ここ数年の夏の様子を知らないわけだから「今年の」と言うのもどうかと思うが、しかし記憶にある夏の暑さと比較しても、やはり今年の夏は暑い。
もっとも夏が暑いのは当たり前であり、暑いからこそ夏である。下手に冷夏にでもなれば、ほっとするよりも物足りなさを感じるに違いない。それでも物には限度というものがある。この尋常ならざる気温と湿気はどうか。数年前に旅行したベトナムやカンボジア、去年行ったタイもえらく暑かったが、ここまで殺人的な暑さではなかったような気がする。もはや日本は東アジアで最も暑い熱帯地帯なのではないか。
そうした暑い最中を乗り切る方法はいろいろあるが、汗をダラダラかきつつキンキンに冷えた飲み物をカーッと呷るのがいい。飲むのは何がいいか。まずは王道のビール(私はエビス党である)。そして麦茶。濃いめのアイスコーヒーも捨てがたい。シンプルに水。ここ数年は中国の硬水ばかりだったが、やはり日本の軟水は美味い。ああこれぞ醍醐味、甘露かな甘露かな。
そして今年の夏、我が家の新しい定番となっているのがこれ、ウィルキンソン ジンジャーエール 辛口である。
これがまた「辛口」と銘打つだけあって実に辛い。辛いというより「痛い」に近いかもしれない。口に含むと強めの炭酸と強烈なジンジャーの刺激が口腔に突き刺さる感じ。最初は飲む度にむせるほどだったが、しかしこれが慣れてくるとこの「痛い」感が病みつきになる。冷蔵庫でガンガンに冷やしてグイグイ飲めば、口から胃のあたりがスカッとして気持ちいいのだ。クソ暑い時に、この痛くてスカッとが実に良いのである。
ただ惜しむらくは後味が若干甘ったるいのが玉に瑕。成分表を見ると人工甘味料を使っているようなので、文字通りの人工的な甘さはそのせいだと思われる。なんでも瓶タイプのものは液糖を使っているらしく、味的には瓶の方が美味しいらしい。でも瓶タイプは売っているのを見たことがない。業務用ではないと思うんだが。
ただこのジンジャーエール辛口も、少し前までは近所のコンビニやスーパーで普通に売っていたのに、最近は取り扱っているところがだんだんと少なくなってきたような気がする。製造販売元のキリンの Web サイトには今のところレギュラーモデルとしてラインナップされているので製造中止ではないと思うが、さすがにここまで強烈な味だと万人向けとは言い難く、販売数的にはちょっと厳しいのかもしれない。なので見つけたら出来るだけ即買いするようにしているが、望むらくは細々でも良いのでこのまま販売を継続して欲しい。とは言えこの手の飲料ものは、人気がないとあっさりカタログ落ちして製造中止になると聞く。いまのうちに箱買いでもしておいた方がいいだろうか。