夏休みを終え、北京に戻ってきて早十日。最近になって、ようやく日本ボケが直ってきたような気がします。今頃かよ。
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会社で我が愛用の Mac Book Pro に向かい仕事をしていると、なにやらマウスポインタの動作がおかしい。マウスの左クリックを左クリックを押しても何の反応もない。使用しているマウスは Bluetooth 接続の Magic Mouse。これまでも極まれだが突然 Bluetooth の接続が切れてマウスが全く反応しなくなることがあったので、今回もそれかと思い接続し直してみる。しかし状況は変わらない。マウスの電池残量はまだ十分。Bluetooth での接続も問題なし。あれこれ調べてみるが、原因はさっぱりわからない。
そういえばと、Mac Book Pro 本体のトラックパッドで操作してみることを思いつく。って、うおっ?ボタン部分が異常に盛り上がってクリックできないじゃんか。よくみると真っ平らのはずの Mac Book Pro の底面の手前部分が、なにやら膨らんでいるような気がする。慌ててひっくり返してみてみると、バッテリパックがボッコリ膨らんでるじゃありませんか。なんなんだこれは。
急いで電源を切り、パックバッテリを取り外す。見ると内部のバッテリに押されてアルミ外装の一部分の接着が剥がれ、大きいところでは 5mm ほど浮き上がっている。ほんの少し前は特に気がつかなかったから、おそらくこの状態になるまで急激に膨張したものと思われる。触れないほどではないが相当熱も持っており、このまま気がつかずに放置していたら、最悪の場合、発火でもしていたかもしれない。
トラックパッドのボタンはちょうどバッテリパックの真上部分に位置する。膨張したバッテリパックで圧迫されて筐体が歪み、ボタンが常にクリックされた状態(オン状態)になっていたので、結果的にマウスをクリックしても何の反応もないという症状になったらしい。とりあえずバッテリパックを外した状態で AC 電源で立ち上げてみる。無事に起動。本体には影響がなかったらしい。
ネットで調べてみると、この手のバッテリトラブルは結構頻発しているらしい。ちなみにこうしたバッテリの膨張現象を、ネットでは「バッテリが妊娠した」と呼ばれているそうな。妊娠て。
しかしどうしてこうなったか。この Mac Book Pro を購入して丸三年。その間の毎日十数時間使い続けてはいたが、大半が AC 動作でバッテリではほとんど使っていない。しかしその AC 動作の間もバッテリは装着しっぱなしだった。たぶん AC 動作している間も微小ながらもバッテリには充電電流が流れ続けていたはずで、そういう意味ではバッテリに対しては過酷な使用方法だったかもしれない。バッテリがここまで膨張した原因は、流れ続けた充電電流による過充電(充電しすぎ)だったものと思われる。
しかし当然ながらバッテリパック内に過充電保護回路が組み込まれていて、バッテリがある一定の端子電圧になったら充電動作をカットするロジックとなっているはず。それなのに破裂寸前までバッテリが膨らんだということは、保護回路、もしくはバッテリ自体に何らかの不具合があったと考えられる。
ともあれ、このままこのバッテリは到底使えないので交換するしかないが、ネットではApple Store に持ち込んで相談すれば無償交換になる(場合もある)との情報もある。土曜日に北京の Apple Store 内にあるジーニアス・バーの予約を取ったので、とりあえず行ってみよう。
まあバッテリは「生もの」と良く言う。バッテリには寿命があり、使っているうちに徐々に劣化していくのは仕方がない。三年も使っていれば劣化具合もそれ相当だろう。私も電子回路屋の端くれとして、バッテリの取扱の難しさ、回路やロジックの設計の大変さは身にしみて良くわかる。しかしいくらなんでもこれはちょっとまずいのではないか Apple。
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