昨年の 8 月に Macbook Pro 17 インチモデルを購入し、これまで長年使ってきた Windows 環境から Mac に全面的に乗り換えて一年あまり。仕事とプライベート両用のメインマシンとして、誇張でなく寝ている時以外のほとんどの時間を共に過ごしてきたわけである。
結論から言えば、これまでのところ全く問題ない。ネットへのアクセスは Firefox と Thunderbird で十分事足りるし(Mac デフォルトの Safari と Mail を使っていないのは傍流だろうか)、オフィス系アプリは Office for Mac を使っているが、Windows ユーザとの間で互換性など何か問題が出たことはない。その他、iTunes や iPhoto、iCal にアドレスブックなど、Mac に最初からインストールされているアプリケーションもまずまず活用している。たまに GrageBand をいじって遊んでみているけれど、これもなかなか面白い。
一応 Windows 環境も使えるようにと、Parallels(英語版) を導入して Windows XP をインストールしてあるが、たまに仕事で必要な電子回路図 CAD や FPGA 設計用アプリを使ったり、あるいはどうしても Internet Explorer を使わないと見ることの出来ない Web サイトにアクセする時に起動するぐらいで、99.9% は Mac 環境で事足りている。
ちなみに IE を使わないと見られないサイトとは、日本の本社のファイルサーバと社内イントラネットシステムだ。社内イントラにアクセスする時はセキュリティの都合上、Windows 専用のアプリを起動しなければならないのは仕方ないとして、せめてファイルサーバは IE 以外でも見られるようにしてほしい。諸々の事情はあるとは思うが、今時ブラウザ依存のページというのもいかがなものか日本本社の中の人。
話がそれた。Macbook Pro に戻すと、購入時に最後まで悩んだ 17 インチという巨大なディスプレイも、結果的には正解だった。確かに本体重量で 3kg 超と、正直言ってクソ重い。当然ながら本体サイズもバカでかい。およそモバイルとは言い難いこの重戦艦級マシンをカバンに入れて持ち運ぶには、いかな剛腕の私でもかなり厳しい。しかし一度この 17 インチ 1,900×1,200 ドットという広大にして快適な画面サイズに慣れると、最近主流の 13 インチワイド液晶などはやたらと小さく見える。また Windows と比べて Mac はフォントが格段に美しく、またフォントサイズを小さくしてもつぶれにくいのもポイント。画面の解像度が大きいとどうしてもフォントが小さく見にくくなってしまうが、Mac なら細かいフォントでもはっきり綺麗に見える。一度この画面表示に慣れると、もうたぶん Windows にも小さい画面のノート PC にも後戻り出来ない私だ。もしかして Apple の思うつぼですか。
と、快適に使用中の Macbook Pro であるが、最近内蔵 HDD の残り容量がなんとも心許なくなってきた。デフォルトで積んでいる HDD は 160GB で、気がつくと残り 20GB あまり。いったい何がこんなに入っているのか我ながら不思議だが、日々増加していくファイルは今後も減る気配はない。適当な外付けドライブに使っていないファイルを移動させるのも手だけれど、それもなにかと面倒だし、何より HDD の残り容量を気にしながら使い続けるのは精神衛生上よろしくない。そういえば先日の国慶節休暇でちょうど日本に帰省することだし、良い機会なので秋葉原で HDD を購入して換装に挑戦してみるか、と思い立ったのであった。なにがそういえばで良い機会なのか聞かないでいただきたいが、ともあれさっそく実行してみた。
HDD 換装に際して参考にさせていただいたサイトは以下。
・http://soph.jp/MT/archives/2007/12/04120206.php
・http://mac.ascii24.com/mac/review/portable/2006/03/15/661126-000.html
作業の前に、まず用意するものは以下。
- 精密ドライバセット
- トルクスドライバ(サイズ:T6)
- 交換用 HDD
- SATAーUSB 変換ケース
今回換装する HDD は、HGST の HTS543232L9A300(320GB)。アキバの クレバリー にて 9,150 円で購入。いやしかし、320GB の HDD が 9,000 円そこそこで買えるなんて良い時代になったものよのう、と 価格.com を見てみたら、今日時点ですでに最安値は 8,000 円を切っている。むう。
SATAーUSB 変換ケースは、アキバをブラブラしていたらとある店で見つけて購入。980 円と激安だが、動けば儲けもんということで買ってみた。
作業はまずは古い HDD の中身を丸ごと 新 HDD に吸い上げることから始める。SATAーUSB 変換ケースに新しく買った HDD を装着し、フォーマット後に Carbon Copy Cloner(カーボンコピークローナ) というバックアップソフトを使ってひたすらコピーする。変換ケースが無事に動いてくれたのにほっとしつつ、約 120GB の容量をフルバックアップするのに三時間ほどかかった。
HDD のコピーが終了したら、いよいよ Macbook Pro の分解である。まずはバッテリを外して一応しばらく待ち、外周にあるネジを外していく。メモリのふたを外し、トルクスドライバでこちらのネジも外す。
全てのネジを外し終えたら、トップパネルを慎重に引き上げて御開帳。ネットでは筐体のツメが引っかかったりして苦労されている人も多いようだが、私の機体は割とすんなり外れた。
しばらく中身を観察してみる。よくもまあこんなに薄いスペースにこれだけの内容物を詰め込むもんだと感心する。しかしこれ、筐体やら板金やらの金型代だけで一体いくらかかっているのか・・・。
ふと見ると筐体右側に並ぶ USB や Firewire コネクタの上に導電マットが貼り付けてあるのを発見。おそらく EMC 対策だと思われるが、美しい外観とは打って変わってなんとも泥臭い。たぶん規格をクリアできず、どうしようもなく最後の最後に仕方なく付けたのだろうけど、まあなんとも相当苦労した後が伺える。同じ技術屋として涙を禁じ得ない私である。
HDD は下筐体左側に鎮座ましましている。テープ止めされているフレキケーブルを切断しないように慎重に外し、HDD を筐体に止めている固定ネジを外す。HDD 両脇には緩衝用のゴム足がついているのでそれも外し、新しい HDD にセット。あとは逆の工程で順次組み上げる。
ちょっとドキドキしながら起動。無事に立ち上がった。これでしばらくは容量不足に悩まされずに済みそうである。