十日間の夏休み兼オリンピック休暇が終わり、通常業務状態に戻って気がつけば早一週間。オリンピック惚けで、北京の大気のようにかかっていた頭の中の霧がようやく晴れつつあります。遅すぎだろ私。
大気汚染やテロなど、始まる前はあれこれ心配な事項が盛りだくさんだった北京オリンピックも、なんとか(表面上は)大きな問題なく無事に終了。中国チームも鬼のようにメダルを取りまくり、開催国としての面子を一応は保ったというところだろうか。個人的にもいくつかの競技を生観戦し、なにより日本人が金メダルを取る瞬間を目撃できたし、何だかんだ言いつつ楽しませていただいた。
様々な名場面が生まれた今回のオリンピックで、その中の一つとして印象的だったのが閉幕式での IOC ロゲ会長のスピーチだろう。「このオリンピックで世界は中国をより知ることになり、中国はより世界を知った」という言葉は、正に今の中国を端的に表している。このオリンピックを通して、竹林奥深くに潜む大熊猫の如き中国の姿を(言い過ぎか)世界の人々は改めて目撃し、そして大熊猫は竹のカーテンの向こうに広がる山裾の広大さを知った。そうしてお互いをよりよく知ることで、分かってみればどうということや、分かってみて新たな知見が得られたこともあった反面、分かってみてもやはりよく分からないことも多くある。
「国家的イベント」として中国の威信をかけて行われたこの北京オリンピックは、「成功させることが絶対命題」と意気込む指導者たちの思惑を反映して様々な規制、弾圧、言論統制など、この国の持つ「負の側面」が改めて浮き彫りになった。これら「分かってみてもやはりよく分からないこと」は、当然ながら世界の批判を浴びることになった。
しかしその反面、実に多くのものを中国人民の中に残していったことも事実。国をあげての盛大な祭りが終わり、中国とここに暮らす人々にとって、はたしてこの祭りの後をどうやって乗り切っていくのかは、正直言って相当困難な課題が山積みだと思うが、北京オリンピックが中国の人々の中に残した「世界を知る」という財産は大きいと思う。
それはともかく、閉会式でのジミー・ペイジ御大の御登場にはびっくり。どうせならロバート・プラントにもご出場願いたかったが、それはまあ無理か。いやほれ、本人の生出演は無理でも得意の CG で如何様にもなったはずなんだが。
え、もしやあのジェイムズ君も CG?
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