先日の 7/20 から始まった、北京の交通規制。規制開始からほぼ一週間経ったわけだが、確かに以前よりは車の数は減ったような気がする。しかし劇的に減ったかというと、正直言ってそれほどでもないように思われる。
たとえば 7/25(金)。普段であれば週末の金曜日の夕方ラッシュ時になると、どこもかしこも大渋滞となる。まあ確かに以前のような大渋滞はなくなった。それでも道行く車は結構な数。いつもよりも心持ち少ないか、という程度である。見渡すと一般車のナンバープレートは確かに奇数(7/25 は奇数の日なので奇数ナンバーの車しか市内を走行できない)。しかしバスやタクシーは偶数奇数の規制対象外なので、いつもと同じように走っている。事前の予測によると、この規制により車の数は四割程度に減るとのことだったが、実際にはとてもそこまで減っていないのは明らかである。
では、この車の多さはどうしてなのか。お上のお達しが出ても、なんやかやと知恵を働かせてどうにかしてしまうのがこの中国という国。お金持ちの人たちはこの交通規制に備えて、ナンバープレートの偶数奇数が異なる車を複数台買ったという話も聞いたが、さすがに一般庶民はそういうわけにはいくまい。もしかしてナンバープレートの偽物が出回っているのか。
ところでこの交通規制、慢性的な渋滞解消と並んでもう一つ重要な目的が大気汚染の軽減である。しかしこれもまた当初の目標をクリアできているとはお世辞にも言い難い。今日は一日中こんな感じであった。
国家環境保護部の発表によると、本日の天気は「晴れ」。大気汚染指数は 112 で、北京市の独自基準によると「軽微汚染」という判定である。しかしこの一面どんよりとした空気はどうか。写真中央下あたりには 300m ほど離れた建物が写っているが、立ちこめた靄状の空気で霞んでいる。ここのところ湿度がやたらと高いので、空気中の水蒸気が靄のように漂っているというのもあるが、それでもこの視界の悪さの要因はそれだけではあるまい。
もちろん大気汚染は大気中の埃や塵、それに温度、湿度、風の強さなどが複雑に影響するので、車の数だけが原因ではない。しかし今のところ大気汚染の劇的な改善は見られていないのは事実である。車の総量規制は実施され、汚染物質を吐き出す工場は強制停止された。北京市内の建設工事は、これもまた強制的に一切中断状態になった。出来ることはやってみた、というところである。だが全然変化無し。オリンピック開幕まで残すところ二週間弱。こうなったらこのままオリンピック本番に突入するのかもしれない。屋内競技はともかくとして、正直、この空気の状態ではマラソンは無理だと思われる。
そういえば今月前半まで毎日のように降っていた夕立が、ここのところすっかり無くなってしまった。これで一雨でも降れば、空気も少しは綺麗になるだろうか。人工降雨が上手くいくことを祈りたい。
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