昼過ぎ、会社のオフィスで仕事をしていると、なにやらフラフラとした揺れを感じた。表をでかいトラックでも通ったか。と、周りを見渡すと、結構グラグラと揺れている。これは地震か。でも体感的には震度 2 ぐらいか。北京では地震は珍しいが、大したことは無し。まあそのうち収まるだろう。
しかし中国人スタッフは大騒ぎである。「地震だ!地震だ!」と口々にわめき、真剣な顔でビビっている。慌てて外に逃げだそうとする奴も出る始末だ。いやいやいやいや落ち着け落ち着け。こんなもん大したことないから。建物も壊れんしどうもせん。日本じゃこんなの毎日起きてるから大丈夫。となだめすかして落ち着かせる。
なにせ中国、それも北京の人は地震に慣れていない。私も北京で暮らして間もなく三年になるが、体感地震はこれが二度目である。以前中国人スタッフに「日本って地震が毎日起きて、いつも地面が揺れてるそうですね」と真顔で言われたことがあるが、いやまあ当たらずとも遠からずというかその認識は君ちょっとどうかと思うが、とにかく北京ではほとんど地震は起きない。だからこうしてごくたまに発生すると、異常なまでに反応するのである。
しかしネットで情報を漁ってみて驚いた。震源は四川省、省都の成都から北西に 100km ほど離れた山の中らしい。いや四川省って、北京からゆうに 1,500km は離れている。それなのに北京でも揺れを感じたということは、何かとんでもない規模の地震なのではないか。
その後続々と入ってきた情報によると、発生時間は午後 2 時 28 分、地震の規模は当初 M7.6 と発表されたが、その後 M7.8 に修正された。震源の深さは 10km。メチャメチャ浅い。典型的な直下型の地震だが、マグニチュードがかなり大きいのが気になる。たしか阪神淡路大震災の時は M7.3 で深さは 16km ぐらいだったか。それよりもはるかに巨大で、しかも震源が浅い。これは相当な被害になるに違いない。
夜になって現地の惨状が刻々と伝わってくる。新華社によると、四川省北川県で 3,000〜5,000 人が死亡、1 万人以上が負傷。その他、四川省の各地で建物が倒壊、学校や病院が崩れ、多数の人たちが下敷きになっているという。特に震源に近い山岳地方の農村は、壊滅的な被害を受けたとの情報もある。しかしなにせこの地方は険しい山が多いため、被害の全貌はまだよく分からないらしい。
と、とりあえず北京に住む我々は直接的な被害は全くなかったのだが、現地では大変なことになっているようだ。しかし今年の中国は、年初から大雪害やら洪水、そして大地震と、大規模な自然災害が続いている。もうこれ以上何も起こらないことを祈るばかりである。
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