昨日より上海に出張中。
すでに北京は冬模様で防寒着無しではいられないほど寒いが、上海は緯度的には東京都ほぼ同じぐらいなのでそれほど寒くはないと高をくくっていた。しかし着いてみれば結構寒い。さすがに北京ほどではないものの、コート無しではやっていけない。吐く息も白い。
上海あたりなど海側や南部では、冬の寒さはそれほどでもないと言うが、それはあくまでも中国的感覚での話である。上海でも今の季節、日本の関東南部の初冬程度まで気温が下がるので、普通の感覚で言えばそれなりに寒い。不思議なのはおもてがこんなに寒いのに、部屋の中もそれほど暖かくないことである。北京など内陸や北方地方など冬の寒さが厳しいところでは「暖気」など暖房設備が発達しているので、外は凍死するほど寒くても一歩部屋に入れば南国の楽園のように暖かいことが一般的だ。しかし上海程度の寒さは寒いうちに入らないのか、このあたりでは「暖気」の類を見かけることはまずない。
ここで不思議なのが、なぜか部屋の中も寒いということである。もちろん「暖気」はなくとも普通の建物であれば空調を完備している。それを適温にセットし運転させれば暖かくなるはずだ。しかしどういうわけだか、そうした暖房器具をあまり使わないのである。したがって部屋の中は寒い。しかも底冷えがする。夏の暑さが厳しいためか、建物に断熱という概念がないだろう。窓も薄い。外の冷気がそこかしこから侵入してくる。
では上海の人は寒いのに慣れているのかというと全然そうでもなく、寒いには寒いらしい。それならば暖房を入れればいいだけのような気がするが、どうしてかそうした行動にはいたらないようである。私は上海の会社を何社か訪問したことがあるが、どこも建物の中は大変寒かった。そんな中で社員の人はコートを着ながら仕事をしていた。実に不思議な光景である。これって会社だけのことなのか、それとも一般の家庭もやはり寒いのだろうか。
今回訪れた某社の建物は、いくぶんマシである。一般的日本人の率直な感想ではやはりちょっと寒いのだが、それでも他の会社にくらべればはるかに暖かい。まあ少なくともコートを着る必要性はない、という程度ではあるが。
そんなしんしんと冷える上海で、仕事はなかなか進展しない。昨日は結局午前三時まで。今日も朝八時から再開して奮闘したものの、三歩進んで二歩半下がるという案配。たったの半歩かと落胆するか、半歩進むだけ良しとするか。そういえば前回上海に来た時も徹夜だったか。今日もその気配が濃厚である。