【6月19日 AFP】北京五輪を来年に控え、中国政府は18日、世界最高峰エベレスト(Everest)のふもととベースキャンプを結ぶ高速道路建設に着手した。聖火リレーが通りやすくする狙いもあるという。国営新華社通信(Xinhua News Agency)が19日に報じた。高速道路は、エベレストのチベット(Tibet)自治区側のふもとを起点とし、標高5200メートルの地点にあるベースキャンプまでの約108キロを結ぶ。総工費は1億5000万人民元(約24億円)で、10月に完成する予定。
5大陸を巡る計130日間の聖火リレーは、2008年3月31日に北京(Beijing)を出発し、同5月にエベレストの頂上制覇を目指している。
新華社通信は、高速道路が開通すれば、増加しているトレッキング客もベースキャンプに行きやすくなるだろうと指摘している。
あんな高所で、しかも 6 月 18 日に着工してわずか四ヶ月あまりの 10 月に完成予定って、そんな短期間によくも 108km もの道路を作れるものだと思うが、まあそれこそ人界戦略でなんとかするんですかね。人はいっぱいいるし、人件費は安いし。
しかし現在でもエベレスト付近は登山者が廃棄したゴミによる環境汚染が問題視されているところに、この道路を建設して自動車が沢山くるようになると自動車の排気ガスと人間が出す様々なゴミでさらに環境が悪化することは必然であるように思われる。
ところでこの「エベレスト高速道路」だが、一見観光地整備、あるいは来年の北京オリンピックを見越した事業の一環ととらえられがちだが、一番の目的ははやりチベット支配を内外に知らしめるためのプロパガンダが第一であると思われる。同様に、昨年全線開通し話題になった青蔵鉄道もまたしかり。絶対に期限内には完成することは無理と言われていたのに、猛烈な突貫工事で当初の予定より一年前倒しの異常なスピードで建設が進んだのは記憶に新しい。あの鉄道も観光客目当てなわけがなく、つまるところはチベットの監視ならびに侵攻(と言っていい)のための重要な軍用陸路である。まあなんともしたたかというか、着々と足場を固めているわけですな。
こうした中国側の動きに、チベット、ネパールはもちろん、インドも神経を尖らせることになるだろう。実際、青蔵鉄道は今後の路線拡張で最終的にネパールとの国境、更にカトマンズまで延伸される計画らしい。中国とロシアが一時ほど険悪ではなく、現在はむしろ蜜月に近いと言っていい状況で、中国のこうした動きを見てインドはますますアメリカ寄りになっていくのだろうか。
となると、今年オーストラリアとの間で歴史的な安全保障協力に関する日豪共同宣言を調印し、さらにはアメリカ、オーストラリア、インドとの間で日米豪印四カ国同盟も結びつつある現在(韓国を除外しているのがポイント)、はたして日本はどうしていけばいいんですかね。
だがそれも今夏の参院選の結果次第では、舵取りの方向が大きく変わる可能性もある。やっぱり在外選挙の登録をちゃんとやっておけば良かった、と後悔しても後の祭り。
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