この週末は、北京に「A1グランプリ」なる自動車レースが開催された。A1 を知らない人のために、というか私もよく知らなかったのだが、A1グランプリ(A1 Grand Prix)は、ドバイが提唱し、同国のシェイク・マクトゥム・ハシャ・マクトゥム・アル・マクトゥム(長い)を会長とする団体が主催のモータースポーツで、国別対抗戦という形式を採り「モータースポーツにおけるワールドカップ」という位置づけとして 2005 年よりスタートしたとのこと。どうやら F1 のすき間を狙ったファンを獲得することを目指しているようで、他の多くのモータースポーツと異なり、秋開幕・春閉幕という形で開催されている。現在は欧米諸国や中国、東南アジア、オーストラリアで年間全 12 戦が開催されているそうである。
レギュレーションとしては、参加するマシンが全て同一のシャーシ、エンジン(V8 3.4 リットル/最大 550 馬力)、タイヤを使用するという、いわゆる「イコールコンディション」を基本とし、参加国それぞれを代表チームとして最大 25 チームによって行われる。 A1 マシンの特徴としては、純粋にドライバーの腕を競う意味で特殊なドライバーアシスト機能が一切搭載されていない他、レース中決められた回数のみエンジン出力を高める事が出来る「パワーブーストボタン」が備えられている。なんだかゲームのパワーアップアイテムみたいな感じだが、ここぞという時にボタンを押すといきなり超加速する様はなかなか面白いかもしれない。
決勝レースはスプリントレース、フィーチャーレースの 2 ヒート制を採用。両レースとも上位入賞者にポイントが与えられる。スプリントレースは予選で決定した順位を元に全車が隊列を組み、ローリングスタートでレース開始。 30 分の制限時間もしくは 50 マイルの距離で争われ、終了時の順位がそのままフィーチャーレースのスターティンググリッドとなる。フィーチャーレースは F1 等と同じく静止した状態からスタンディングスタートでレース開始。 60 分の制限時間もしくは 100 マイルの距離で順位を競うというもの。
というようにかなり新しく、かつなかなか斬新な方式のモータースポーツではあるが、その一方で「環境対策の風潮に逆行している」「アラブの産油国が楽しむためのレースだ」という冷ややかに見る向きもあり、今後の先行きを疑問視する声もあるらしい。しかし決勝レースの模様をインターネットで無料配信するなど、なかなか思い切った試みを行っていて、 それまでフォーミュラカーレースへの参戦実績が全く無かった国々を中心に徐々にではあるが新たな客層を開拓しつつあるそうだ。
とまあそんな A1 であるが、2006-2007 年シーズンの第三戦の舞台は中国・北京で、それも私を雇用する会社がある経済技術開発区の中で、しかも(F1 のモナコやメルボルンのように)公道をクローズしての、いわゆるところの「市街地レース」となるこのことであった。さらにいうと、そのコースは会社のすぐ近く。マジっすか?
それがマジだったのである。レース本番は昨日の土曜日と本日日曜日だったようだが、先週末あたりから会社の近くの道路には着々と準備が進められていた。以下、本番直前の金曜日に撮影したコース付近の模様。
そんなこんなで会社の周りは結構な騒動になっていたわけだが、この土日で無事に競技は終了したそうだ。ちなみに今回の北京ラウンドの総合優勝はチーム・イタリア。2 位にはグレート・ブリテン、3 位にはチーム・オーストラリア。地元の中国は 22 チーム中 17 位ともう一つな成績で終わったとのこと。
次回開催国はマレーシアだそうなので、暇とお金のある人は観戦してみたらいかがか。
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