国慶節の休みも、旅行に行っている間にいつの間にやら終わりである。本来今日は日曜日なのだが、国慶節に振り替えたため単なる普通の日。ということで本日から通常営業開始。休みボケか旅行疲れか、体も頭も怠くて鈍い。何事もいきなりは良くないという。ここは徐々に慣らしていくのが吉であろう。まあそんなこと言ってる暇はないわけだが。
会社までの往復の道すがら、交通量はそれほど多くないもののなんだかやたらと公安や武装警察の姿が目に付く。なんか今日はイベントでもあったっけ、と良く考えてみると、日本から安倍新総理が訪中しているのだったと気がついた。
今回の安倍さんの訪中について、日本と中国のメディアはどちらも成功と報じている。特に中国側のやたらと「友好」を連発した記事を何本も見かけた。前首相である小泉さんは、いろいろあって中国(と韓国)では完全に「悪役」扱いだった。しかし特にここ一年ほどの中国の情勢を見ていると、「悪役」はあくまでも小泉純一郎という個人一人であり、日本という国自体や政府、日本企業とは別なんだ、というメッセージ(らしきもの)をよく見かけるようになった。人口問題、環境汚染、食料と水の確保、エネルギー調達、朝鮮半島情勢など、どうしたって日本と手を組み、あるいは技術や資本を導入して解決していかなければならない多くの問題をかかえるこの国にとって、首相の交代というのは正にジャストタイミングだったのだろう。今までさんざん「悪役」扱いしてきた手前、中国の指導者と「悪役」が笑いながら握手でもした日には面子丸つぶれだもんなあ。
そういう意味では「善人」として祭り上げられた安倍さんの今後の手腕は注目したいところ。特に小泉さんが「悪役」としてのポジションを確固たるものとした靖国参拝問題は、上手く使えば日本側の外交カードとして使えるかもしれない。首相の靖国参拝というそれだけで日本との首脳会談をキャンセルして、およそまともな国のやることとは思えない低レベルの外交態度を欧米諸国などからさんざん非難され、さすがの中国政府も国際社会での評価が下がりつつあると感じているのではないか。今のところ安倍さんは参拝するのかしないのかはっきりした態度を表明していないようだが、今後の動静によっては強烈な切り札の一手となりそうな気がする。
それにしてもほんの一年半前は反日だ抗日だとピリピリしていたのに、今度は一転して「日中友好、好朋友!」である。もちろん仲良くやるに越したことはないが、この変わりっぷりは逆に不気味でもある。笑顔の裏に潜む様々な思惑に足下をすくわれないようにしてほしいものだけど。まあしかし、いろいろな意味で極端だわこの国は。
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