猫も杓子も blog を始める昨今、有名人や芸能人もその例外ではないわけだが、最近公開された中でもとりわけ面白いのが志村けんの ken's blog。
この blog がオープンしたのは 8 月 7 日。私はひょんなことからほぼオープン当初から読み続けているが、開設当初は記事にコメントがほとんど付くことなく、実に静かなスタートだった。ところが今月半ば頃からこの blog の存在がネットで急に知れ渡ったようで、アクセス数もコメントも急増。現在では相当な賑わいを見せている様子である。
その内容だが、さすが日本を代表するコメディアン・タレントだけあって、他の有名タレントの写真があったり、夏休みにはジェット機をチャーターしてハワイにゴルフ旅行に行った様子が掲載されたりと、なかなか一般人にはない類の記事が並んだりする。しかしそれよりもさりげなく紹介される簡単な料理のレシピの方が断然興味深い。紫蘇チャーハン(シソを紫蘇とわざわざ書くあたりにこだわりを感じさせる)、秋刀魚の一夜干しなど、いかにも男の一人暮らし風なメニューだが、これがまた大変美味しそうなのである。朝ごはんは自分で作るそうで、納豆に紫蘇とキムチを入れて食べるのだそうだ。志村氏というと大酒飲みの煙草吸い、芸能人らしく不規則な生活を送っているのでは、という印象があるが、意外にも健康マニアで、過去にはこんな本も出しているとのこと。酒を飲むぶん健康には気を使ってるんですかね。
またその語り口が飾り気のない、実にリラックスした自然体なのも特色だ。「~よ。」「~ね。」などの語りかけ文体なのも、なんだかどこかの飲み屋で酒でも飲みながら話を聞いているような気になる。現在は携帯で原稿を書いて知人にメールで送り、blog にアップロードしてもらっているそうだが、そのうち自分で PC を使って書き込みを出来るようになりたいとのこと。自分で出来るようになっても、この語り口はそのままでお願いしたいものだ。
そういえば志村氏は相当な音楽マニアでもあり、特にソウルミュージックや R&B(日本のへなちょこ歌手がやってるのではなく本物の R&B)に造形が深いと聞いたことがある。例の「ひげダンス」の BGM も、ソウル・シンガーの大御所テディー・ペンダグラスの名曲「Do Me」をアレンジしたもので、原曲を提案したのも志村氏だったはず。そのうちこうした音楽の話も書いてもらえたら面白いと思う。
しかし自分がほんの小さい頃から数々のギャグやコントで笑わせてもらったものの、それでもあくまでもブラウン管の向こうにいる「別世界の人」だと思っていた人の日常を、こうして blog で読める日が来るとは。良い時代になったもんです。
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