高校時代の友人がついに普通自動車免許を取得したそうだ。今のご時世、たいていの場合は高校を卒業した時点で教習所に通い、免許を取得してしまうのがほとんどだと思うが、生まれてこの方(だったっけ?)横浜と都内で生活を送ってきた彼。公共機関を使いさえすれば不自由なくどこにでも行ける環境だったからか、成人してから今まで運転免許の必要性を特に感じなかったとのこと。
しかし諸々の事情により、ついに一念発起。忙しい仕事の合間を縫って教習所に通い、教官の罵詈雑言にもめげず、慣れない機械操作に悪戦苦闘の末、優秀な成績(かどうかは知らない)で教習所を卒業。そして挑んだ運転免許試験も無事にクリアし、とうとう目出度く運転免許ゲットと相成ったとのことである。いやはや素晴らしいじゃないですか。40 過ぎのどこからみても立派なおっさん(失礼)が、衰えた脳細胞と運動神経(更に失礼)をフル稼働させて数々の関門をクリアし、見事短期間で免許皆伝したとは。同じ立派なオヤジの一人として素直に拍手を送りたい。いやほんと、一時はどうなることかと。でもまあとりあえずこれで夏休みには山へ合宿に行けますな。
で、話は運転免許とちょっと関係する。何年か一回の免許更新講習の時に教習ビデオを見せられるのは周知の通りだが、最近はそのビデオの内容がなかなか凄いことになっているらしい。タイトルは「ママは帰ってこないの」。内容はこんな感じだそうだ。
ある日、自転車に乗って買い物に行く途中の主婦が、横断歩道でトラックに轢かれてしまう。意識不明の重体まますぐさま病院に運ばれるが、残念ながら息を引き取る。残された家族は父親と、受験シーズンの長男(中学 3 年生)と長女(小学校高学年)とそしてまだ就学前の次男の三人の子供。父親は仕事が忙しく、食事の支度もままならず、コンビニ弁当の毎日を送る。長男の成績はがた落ちで志望校の変更を余儀なくされる。ある日仕事が忙しく次男を保育園に迎えに行けなくなった父親は、長女に迎えにいくように自宅に電話をかける。長女は次男を迎えに保育園に行き、一緒に帰るが土砂降りの雨の中を傘もない状態で家まで帰ってきた。その夜高熱を出した次男。父親は仕事を三日間休まなければならなくなった。そしてついに仕事と子育ての両立が出来なくなった父親は、次男を遠い祖母の家に預ける事を決断するのだった。
ラストは駅での別れのシーン。学校が遅くなり間に合わなかった長女。長男は長女を列車が見える土手まで連れて行った。車内にいた次男と付き添いの父親の弟(見栄春)は、土手でサヨナラの手を振っている長男と長女を発見。次男も車内から最後の別れをするのだった。
交通事故によって崩壊していく家庭の悲劇を、これでもかこれでもかと訴える物語である。なんというか、こうしてストーリーを読んでいるだけで居たたまれなくなってくる気がするほどの、あまりのコテコテさ。公安委員会も情に訴える作戦で来たか。
そういえば確か私が数年前に運転講習で見たビデオはこれではなかったと思う。友人を三人乗せた車で事故を起こし、そのうち一人は死亡、一人は植物人間。もう一人は命は助かったものの自分の婚約者で、結局結婚も解消されてしまう。補償のために自分の家を売り、仕事も左遷され、後には何も残っていない。とかいう、安物の韓国ドラマみたいな内容だったと思う。いや、韓国ドラマなんてほとんど見たことないから知りませんけど。
ちなみにこの「ママは帰ってこないの」の主人公の父親役は国広富之。父親の弟役で見栄春が出演しているそうだ。これまた微妙なキャスティングだが、ちょっと見てみたい気もする。ちなみに YouTube で探してみたけど、残念ながらアップされてなかった。当たり前か。
ま、何はともあれ安全運転で、ということですか。
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