今日、仕事の打ち合わせで台湾から取引先の人がやって来た。打ち合わせも終わり、雑談の中で台湾の言葉の話題になったのだが、これがなかなか興味深かった。
歴史的な経緯により多くの異民族が一つの島で暮らすことになった台湾では、当然ながら民族の数だけ言葉も異なる。台湾の公用語はいわゆる普通話(標準中国語)だが、台湾語(ミンナン語)と客家(はっか)語、さらに先住民固有の言葉がいくつも存在するという。
実際、MRT(新交通システム)では、公用語である中国語のほか、台湾語、客家語、英語の4つの言語で駅名など車内放送をしているそうだし、市庁舎などの公共施設では、たとえばエレベータの案内放送(「ドア閉まります」とかの)に 阿美(アミ)語も使われているという。打ち合わせの時は誰も知らなかったのだが、ネットで調べてみると阿美語というのは台湾の先住民族である 阿美族が用いる言語。阿美族は台湾全土に約 16 万人ほどおり、先住民族の中では最も人口が多いらしい。
ちなみに取引先の人たちは客家。普段仕事などでは普通話だが、家に帰って家族と話す時は客家語を使うとのこと。普通話も客家語も基本は中国語なので漢字のみで表記される言語だが、発音は全く異なり、また文法も微妙に違うらしい。なのでほとんど別の言語と言ってもいいぐらい異なる。ためしに彼らに客家語で話してもらったが、中国語(普通話)初心者の私はもちろんのこと、北京人の同僚ですら何を言っているのかさっぱりわからないという。これだけ違う言葉を場面場面で使い分けるのに混乱しないのかと思うが、彼らにしてみればごく自然なことなのかもしれない。
また、これまた歴史的な経緯により、台湾の言語は日本語の影響を強く受けているそうである。たとえば「欧巴桑(オウバァサン=おばさん)」なんてのはモロに日本語からの流用で、妙齢の女性の間では「我已経是欧巴桑(私ももうおばさんよ~)」と会話がなされるという。もちろんオバサンがあるならオジサンもあり、こちらは「欧吉桑」と書く。今度台湾に行くことがあれば是非使ってみたいフレーズである。
また新しい日本語もどんどん入ってきており、特に若い人たちの間では「超」を使うのが流行っているそうだ。街角で女子高生が「超可愛~(超かわいい~:普通話では『非常可愛』か『太可愛』)」とはしゃいでいる姿がごく普通に見られるらしい。ううむ、そんなことになっているのか台湾。
そういえば私も以前に一度台湾に行ったことがあるが、食べ物は美味いし観光するにも見所は多いしで、なかなか良いところであった。今なら少しではあるけれど中国語も話せるので、普通話と台湾の市井の人たちが話す言葉との対比を感じることが出来るという意味でも、前回とはまた違った台湾を体験できるかもしれない。機会があれば超行ってみたい。
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