もうまもなく春節(旧正月)がやって来る。社会生活の基盤はすっかり新暦ベースになっている中国でも、今でも春節は一年で最も大切にされる行事である。ちなみに今年の旧暦の元旦は 1/29(日)。今週末ですな。ちなみに学校も会社も一週間休みとなる。
春節は家族が集まる時期でもある。農村から都会に出稼ぎに出ていた人たちも、お土産を沢山持って故郷に帰る。すでに春節の帰省ラッシュは始まっており、連日ニュースでは駅やバスターミナルの大混雑を伝えている。中国に駐在する日本人も、この時期多くは日本に帰るそうだが、我が家は昨年末に帰ったばかり。なので、今回は北京にて春節を迎える予定である。
ところで春節というと、かつてはお祝いのため国中で爆竹が炸裂していたそうである。中国では古くから「魔よけ」などとして、年越しの晩に爆竹を盛大に鳴らし、花火を楽しむ習慣があった。だが、お祭りとなると我を忘れるのがこの国の人たち。ところ構わず爆竹に火を付けたあまり、けが人や火事が続出。そのため北京市では 1993 年 10 月に「北京市花火・爆竹禁止規則」が制定され、以来、市内では爆竹の使用が禁止されていた。
しかし静かな春節に寂しさをおぼえた市民は、爆竹復活を熱烈な要望。ついに根負けした市政府は、とうとう昨年条件付きで解禁に踏み切ったのだった。したがって今年は実に 13 年ぶりに春節の爆竹が復活することになるという。
ところでこの爆竹だが、さすが中国というかなんというか、花火・爆竹の大きさ、火薬量に規定値を設けるとともに、販売を許可する花火・爆竹製品は厳格に決められている。もし規格外の製品を販売した場合は 1 万-10 万元(約 14 万円~ 140 万円)の罰金が課せられるというから、なかなか厳しい。ちなみに北京市花火事務室の発表によると、市内ではおよそ 60 万箱、金額にすれば 1 億元相当の花火と爆竹を用意した、という。そもそも「北京市花火事務室」というナイスなネーミングの部署があることはこの際おいておくとして、爆竹 60 万箱て、それって半端な量じゃない気がとてもする。実はやる気満々なのではないか北京市。
正月というと、静かで落ち着いた雰囲気を想像するのは日本人の考えだ。ここ中国では爆竹を盛大に打ち鳴らしてやかましく迎えるのが正しいスタイルである。爆竹は昨日、1/22 から売り出された。春節が待ちきれないのか、昨日今日と、夜になると街のあちこちから早くも爆竹を鳴らしている音が聞こえる。気持ちはわからんでもないが、とりあえず落ち着け、と私は言いたい。
ということで、初めて迎える春節。はたしてどんなもんなのか。期待半分、不安半分というのが正直なところである。
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