私を雇用する北京の会社は、北京市街から少し離れた「経済技術開発区」という技術開発区の中にある。ここは要するに税制優遇された工業団地で、ここには中国国内はもとより、日本を初めとして世界中から多くの企業が工場や会社を置いている。
そういえばこの開発区についてはよく知っていなかったので、いい機会なので今ちょっと調べてみた。経済技術開発区には 2002 年上半期まで 30 余りの国と地区から投資を持って、その企業がすでに 1000 社を超えている。投資総額は 40 億ドル、進出業種は電子情報と通信技術、電子機械、パイオテクノロジと製薬、新材料と新エネルギー及びソフトウエアなど多岐にわたり、世界トップ 500 位以内の 40 の企業が進出しているという。たしかに私が勤める会社のすぐ近所にも、松下や 資生堂、GE やらフィリップス、ロッテにハイアールと、いわゆるところの大企業の巨大な工場があちこちにある。
また開発区内には工業地区のほかにもそこに働く人たちのための生活区や、様々な公共施設区、国際会議センター、ゴルフ場、スポーツセンター、レクリエーションセンター、アパート、学校、病院、ホテル、レストランなどの生活施設も完備。ただの工業団地というより立派な都市である。ちなみに企画総面積は約 42 平方 km。計算してみると東京ドーム 約 900 個分の広さ。こうして書いてみるとどれくらい広いのか良くわからないが、とにもかくにもだだっ広い。
その開発区で先週の土曜日、運動会が開かれたのだった。二年に一回開催されるこの運動会は、開発区内に属する企業や諸団体の親睦を深めるために行われ、今回で五回目だという。運動会といっても行われる競技はなかなか本格的で、100m 走、400~800m の中距離走、3,000m 走などの走り系競技、幅跳び、高飛び、砲丸投げ、障害リレーなどの主だった陸上種目があらかた行われる。もちろん親睦を深めることが第一目的なので、なかには会社対抗の綱引きや縄跳び(一分間に何回跳べるか)、お玉リレーなどの和み系競技もある。ちなみに運動会が行われた場所はもちろん開発区内にある競技場で、メインスタンドにはおそらく数千人は収容できると思われる立派なもの。ここは北京のサッカーリーグの公式戦や陸上大会も行われることがあるというのもうなずける。
中国の人たちはこういうイベントが大好きらしく、今年参加した団体は全部で八十あまり。実際に競技に参加する人や観戦のみの人たちを含め、当日競技場に集まったのはおそらく三千人はいただろうか。競技場内のあちこちで行われる競技の様子に大盛り上がりで歓声を送る。自分の会社の社員が出ていようものなら「加油!(がんばれ!)」と声を枯らせて応援合戦である。当日はかなり冷え込んで、コンクリートが打ちっぱなしのスタンドも底冷えがしたものの、弁当を喰いつつ酒を飲み、みんなで応援に熱くなる。楽しんでいる様子である。
ちみに私が当日参加した競技はバスケットボールのフリースロー。結構自信があったのだが、実際にやってみたら五投して一発しか入らないという情けない結果。メチャメチャ悔しかったのでもう一回やらせてくれと言ったら、競技委員に無下に断られた。ちきしょー。これから毎日会社で昼休みに練習して、二年後にはパーフェクトを決めてやると心に誓った私である。