同僚(中国人:日本語堪能)と話していて、今日は帰ったら自宅のシャワーの掃除をしないといかん、という話を聞く。
北京の水道水は石灰質をたっぷりと含んだ、いわゆるところの超硬水。そのためシャワーを何週間か使っているうちに、水の噴き出す穴がすべて石灰で埋まってしまうという。そのためシャワーの柄の部分を分解して、水が噴き出す穴の一つ一つを針の先で突いて石灰の固まりを取り除く。月に何回かこの掃除をしないと、シャワーが使えなくなるという。石灰はガチガチに固まっているので、シャワーの穴を針で突くにもけっこう力が要る。力の入れる方向を間違えると、たまに針が曲がってしまうこともある。「指が痛くてたまらんのですよ~」と同僚。関係ないがあなた、ほんとに日本語が上手いな。
そういえばと我が家を思い返すと、ここに住んで早くも二ヶ月だが、いまだにシャワーが詰まるということはない。たしかここを借りるときに不動産屋が、ここのマンションには強力な浄水装置が備わっていると言っていた。我が家の蛇口から出てくる前に、それなりに石灰分を除去してくれているらしい。中国にしては珍しく、と言っては大変失礼だが、我がマンションの付帯設備はとりあえず額面通りに機能しているようである。
それでも除去しきれない石灰やらカルシウムが微量ながらも含まれているようで、水道水をヤカンなどで沸騰させるとヤカンの底がわずかに白くなるのがわかる。多少食器洗いに手間がかかる程度で実害はないわけだが、そうするとほかの有害物質などももしかしたら取り切れていない可能性はあるわけだ。浄水装置が設置されているとはいえ、やはり水道水を直接飲む気にはなれない。超硬水だから、ある意味天然のコントレックス状態ではあるけれど、飲んで腹を壊しては本末転倒である。
超硬水で衛生的にも直接飲むにはちょっと躊躇われる北京の水だが、ただ臭いがないのは評価できる。これももしかしたら浄水設備のおかげなのかもしれないが、しかし会社や北京市内のレストランなどのトイレでも特に臭いを感じたことはないので、北京の水は一般的に無臭なのだろう。飲めない上に臭いがきつかったら最悪だ。まあ今時、東京や千葉あたりの水道水だってとてもじゃないが飲む気にはなれないし、それに臭いも消毒の塩素やなにかのサビ臭やらが混じり合ってかなりひどい状態だ。そう考えると無臭の北京の水の方がまだマシか。
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