夏休みもいつの間にやら終了し、本日より仕事に復帰。なんだかまだ調子が戻らないが、そうも言ってる場合ではないわけで。
ここ数日の北京は乾燥した晴天が続いている。日中の気温的にはまだまだ暑いながらも、先月下旬から今月下旬のような殺人的な蒸し暑さはすっかりかげを潜め、それなりに過ごしやすくなってきた。このまま一気に秋に突入というわけには行かないだろうが、とりあえずは猛暑も一段落というところか。若干語るに遅きの感があるが、そういえば 8 月 7 日は暦の上では立秋であった。夏過ぎなれば秋遠からじ。
夏の中国に来て思ったことの一つに、中国の人はとにかく西瓜をよく食べるということである。スーパーの果物売り場に行くと長円型をしたシマシマやら緑一色やらの西瓜が山積みされていて、近所のおばちゃんや会社帰りのおっちゃんが次々と買い物かごに入れていく。ちょっとしたレストランに行って飯を喰うと、最後に必ずと言っていいほどサービスの西瓜が出てくる。そういえば会社の昼ご飯のデザートにもしょっちゅう西瓜が出ていた。みんな美味そうにシャクシャクと赤い実をほおばる。おしなべて中国の西瓜は日本のものよりも少し実にしまりがないが、しかしほんのり甘くて美味しい。
中医学的に見ると、西瓜は体を冷やす性質があるそうである。確かに西瓜を食べると体の中から涼しくなるような気がするが、それもそうとして西瓜は水分が大変豊富で、真夏の時期の水分補給にはもってこいではある。
聞くところによると、中国では立秋に西瓜を食べる習慣があるらしい。なぜ立秋に西瓜を食べるのか。体を冷やす性質のある西瓜を食べ過ぎると内臓の働きが弱まってしまうため、徐々に涼しくなってくる立秋以降は西瓜を食べるのはほどほどにして、ひとまずこの日に腹一杯喰っておけ、という説や、立秋を過ぎると西瓜の味が徐々に落ちてくるので、立秋に美味い西瓜を食べよう、などという説があるようだ。確かに西瓜を食い過ぎるとたちまち腹を壊すし、経験的に八月も中旬を過ぎると西瓜の味が落ちてくる。本当だ。こう見えても私は西瓜にはちょっとうるさい。
そういえばスーパーの店頭で西瓜とともに山積みで売っていたのが桃だ。今年は桃の産地である中国南東部が台風で大打撃を受けたそうで、例年に比べると出荷高はかなり少ないそうだが、たくさん並んだ丸々と大きく美味そうな水蜜桃に引かれて買って喰ったことがある。西瓜同様、外見に違わず瑞々しくて大変美味かった。
それら西瓜や桃に変わって、最近売られているのが梨。北京で売られている梨には大きく分けて二通りあり、一つがいわゆる西洋梨と、もう一つが「中国梨」と呼ばれるタイプだ。中国梨は日本の梨と比べると少し小振りで、糖度も少なめで派手な甘さはないそうだが、素朴な甘みがなかなかいけるとのこと。まだ喰ったことはないが、今度試しに買ってきてみようと思う。
ちなみに中医学的には、梨は滋養作用があり体力の補強に効果があるとされ、疲れたときに食べると元気がわいてくるということだ。食べると脾経に入り、胃に良いとも。夏の暑さで弱り気味の胃腸には良く効くかもしれない。
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