日本の家を引き払い、北京に向けて船便と航空便で荷物を発送したのは六月末だったので、もうかれこれ一ヶ月半ほど前。それらが本日ようやく手元に届いた。実は荷物自体はとっくに北京に届いていたのだが、私の就業証(北京の会社で働いていることの証明書)の交付にやたらと時間がかかったのと、税関審査にもこれまたそれなりに日数を要し、ようようにして本人の物となったわけである。日本と北京の間は飛行機で約三時間半、船でも三日あれば十分着く。人間はパスポートさえあればどうと言うことのない距離だが、ことが荷物となると途方もない隔たりとなるわけだ。なんでまたこんなに時間がかかるのか。まあ無事に着いたから良しとするしかないが。
まずは中を開けて荷物のチェック。とりあえずは壊れたり欠損したものはないようだ。最終的には適当に詰め込んでしまうことになった CD や DVD、本の類も割れたり破けたりということはなし。手荷物では本も CD も多くは持ってこなかったので、いいかげん一ヶ月もすると音楽を聴いたり読むものもネタが切れて困っていたところだ。これらの品さえあれば当分は困ることはないので助かる。また、持ってくるかどうか最後まで迷った我が愛機のギター二本も全くの無傷。やたらとでかくて重いエフェクターラックも問題なし。梱包から運送まで非常に丁寧にやってくれた日通の素晴らしい仕事に感謝だ。
ところで荷物が届いたはいいものの、いったいいくらかかるのか非常に恐怖だったのが関税である。今回送った荷物の場合、大量の CD と DVD、デスクトップ型 PC 一式、それとプリンタが課税対象になり、ものによっては 100% の関税がかかることもあるとのことだった。すると最悪の場合、合計で 10 万円超ということも十分ありうる。やはりもう少し荷物を少なくすれば良かったか、と後悔しても後の祭りである。
ところがふたを開けてみると、徴収される関税は約 1,300 元(約 17,000円)也とのお達しであった。なんだか予想よりもやたらと安い。もしかして間違いではと日通の担当者に聞いてみると、この値段で問題ないとのこと。なんでも個人の荷物の場合、かかる関税は税関担当者の胸先三寸的なところが多く、そもそもが値段があってないようなどんぶり勘定で算出されるらしい。今回の荷物でも何がいくらかかっているという明細は特になく、合計でこの値段と通達されたとのこと。税関がそんないい加減なことでいいのかと小一時間問いつめたくなる話だが、払わなくていいなら文句はない。しかしまあ税関なんてこんなもんなのか、それともこれが中国式なのか。
ちなみにこの関税、てっきり個人負担だとばかり思っていたのだけど、私を雇用する会社が運送費の一部として払ってくれるそうで。素晴らしい。やるじゃんか私を雇用する会社。そうと最初に聞いていればもっと荷物を持ってきたのにねえ。
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