昨夜から今朝にかけて、台風 27 号のエネルギーを受けて発達した「爆弾低気圧」の影響で全国的に荒れた天気となった。この「爆弾低気圧」は、元々は台風 27 号に併走する単なる温帯低気圧だったもの。台風 27 号自体は台湾付近で弱まって消滅したが、その分というかなんというか、台風から吸い取ったエネルギーと、いまだに異常に勢力の強い太平洋高気圧からの暖かく湿った空気を受けて猛烈に発達。関東地方に近づいた最盛期の今朝 6 時時点で中心気圧は976 hPa と、へたな台風も真っ青になるまでふくれあがった。
その「爆弾」に向けて南から暖かい空気がバンバン流れ込んだ影響で、各地で強烈な突風が吹き荒れた。我が家の周辺でも今朝方はもの凄い風に見舞われた。体感的には十月に関東を直撃した台風 23 号の時よりもさらに凄かったように思う。実際、東京の都心で観測史上最高の最大瞬間風速 40.2m を記録したというのだから、その強風さは推して知るべし。いやしかし、まさか風速記録が秋口の台風じゃなくて師走の低気圧で記録されるとはなあ。
ついでに暖かい空気が入り込んだことで気温もぐんぐん上昇し、関東各地で 25℃ を上回る「夏日」となったとのことで、これまた十二月としては過去最高の暖かさだったとか。たしかに今日の日中は暖かいというより暑いと言った方がふさわしいほどで、T シャツいっちょでも十分過ごせるぐらいであった。夏のオーストラリアから冬の日本に戻って、ようやく寒さに体が馴染んできた頃合いなのに、またこんなのかよ。なんだかますます季節感が破壊されていく。
ちなみに爆弾低気圧の定義としては、緯度 60 度を基準にとり、緯度 φ の所で中心気圧が 24 時間に 24hPa(sinφ/sin60)以上降下した温帯低気圧を爆弾低気圧とする、ということだそうである。例えば、東京の緯度 35 度ならば、中心気圧が 24 時間に 16hPa 以上下がった低気圧が爆弾低気圧と呼ばれることになる。実際気象庁あたりのデータを見てみると、この温帯低気圧は24 時間どころかほんの 12 時間程度で 20hPa 以上、中心気圧が低下している。まさに「爆弾」とはこのことである。
それにしても、まさか師走のこの季節にこんな暴風が吹き荒れることになるとは思ってもみなかった。これが仮に台風であればそれなりに警戒したのだろうが、しかもそれが名目上はただの「低気圧」のせいだったとは。南の空には夏と変わらない暖かく湿った空気がたっぷり残っているし、これが冬の寒気と激突したら大変なエネルギーが発生するということか。しかしまあヘンテコな天気が続きますな今年は。
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