日本時間の今年 4 月 1 日に地球に最接近した小惑星 2004 FU162 は、最接近時の地球の中心からの距離が 0.0000863 天文単位(およそ 12900km)、地表からの距離にして約 7000km だったことがわかった。これは観測史上、地球に最も接近した小惑星だったとのこと。この大接近の発見が発表されたのは 8 月 22 日で、通過した当時は小惑星の位置が太陽の方向に近くて観測情報を少ししか得られなかったため、軌道確定に時間がかかったようだ。またこの小惑星は地球に近付きすぎたため地球の引力の影響を受けて、軌道が 20 度も曲がってしまったそうだが、観測期間が短く予報の精度は低いが、2007 年 3 月末頃、また地球へ接近する可能性があるという。
ちなみに 2004 FU162 の絶対光度は 28.68 等星であることから、予測される直径は 5m~12m とかなり小さい。小惑星というより岩石の塊と言った方がいいかも。この大きさでは大気圏に突入するとバラバラになってしまい、仮に地球に衝突したとしてもせいぜいが火球クラスの大流星にはなるものの、地表への被害はほとんどなかったと考えられる。
ところで 7000km なんていうとなんだかえらく離れたところのような気がして、これのどこがニアミスなんだと一瞬思う。だが地球の直径は 12741.9km、地球と月の距離は約 38 万km。それを考えると、広い宇宙空間からすれば正にスレスレをかすめて飛んでいったと言っていいほどの近さである。しかしこんな小さく暗い天体をよく見つけるもんですな。
参考リンク:
地球に接近した小惑星のリスト
Closest Approaches to the Earth by Minor Planets(CfA)
2004 FU162の軌道シミュレーション(Java)
Asteroid (2004 FU162)(NASA JPL NEO)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。