あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝えてよ
夕餉(ゆふげ)にひとり
さんまを食らひて
思ひにふけると
――佐藤春夫『秋刀魚の歌』
と、詩にあるように物思いにふけながら一人寂しくではなく、先週末にかみさんの実家にて大勢でワイワイ言いながら喰った秋刀魚の図。脂がのって大変美味かった。大根おろしと醤油でワシャワシャ喰うのも良いが、こうして酢橘であっさり頂くのも、これまた良し。
今年は秋刀魚が豊漁だそうで、あまりに取れすぎるので生産調整のために休漁期間を設ける漁港もあると聞く。漁を生業とされている方々にとっては取れ過ぎも良いのか悪いのか、素人には判断が付きかねるが、一消費者の立場からすると、美味しい魚が安価で提供されるのは喜ばしいことだ。自然の恵みの感謝。
空の色も風の匂いも、そして食卓にのぼる食い物も、もうすっかり秋である。
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