火星ネタをもういっちょ。
地球上の一部の地域が月の影に入って太陽の一部分、または全体が見えなくなるのが日食だが、火星でも衛星フォボスによる日食が起こる。だがジャガイモのようないびつな形をしていることで有名なフォボスは直径が月の 1/150 くらいしかないので、これを地球での縮尺に置き換えると、とても太陽を隠すことはできない。しかし「日食」時、フォボスのシルエットは太陽を半分も覆ってしまう。
これは地球よりも太陽から遠い火星では太陽の見た目のサイズが小さいことに加えて、地球からおよそ 38 万 km のところにある月に対して、太陽系で最も主星に近い衛星とされるフォボスは火星の地表から約 6,000km しか離れていないため。また地球の日食は食分が大きいと欠け始めから欠け終わりまで通常は数時間かかるが、軌道の低いフォボスによる火星の日食はわずか 20~30 秒で終わってしまうそうである。欠けたと思ったらすぐ終わり。火星の日食はせわしないのだった。
■NASA Rovers Watching Solar Eclipses by Mars Moons(NASA JPL News、3月8日)
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