連休中のとある日、かねてから気になっていた竹岡林道に行ってきた。千葉県には数多の林道があるが、竹岡林道は難所として知られ、難所故にその手の筋の人たちには人気のあるところである。
難所であるが、竹岡林道へのアプローチは割合簡単。館山自動車道の富津竹岡 IC を降りて左折、すぐ先にある農道を更に左折して高速道路の下をくぐれば、そこが入り口である。
入り口はいきなり素堀のトンネル。
トンネル内部はこんな感じ。岩盤を掘り抜いただけの、トンネルと言うよりも洞窟と言った方がしっくりくる。当然ながら照明なぞ一切なし。なかなか味わい深いが、夜には通りたくない。
トンネルを抜けると一気に展望が開け、長閑な景色が広がる。ついこの間まで寒さに震えていたのに、気がつけば新緑がまぶしい。良い季節になってきたよねえ。
と和んでいる場合ではなく、林道を進む。のだが、路面状況はいきなりドロドロのヌタヌタ。道幅もかなり狭く、道端にはガードレールもない。一気に谷底に続いている。慎重にハンドルを操作し、ノロノロと進む。
しばらく進むと、最大の難所がやって来た。
これは厳しい。かなり深い轍に加え、水気をたっぷり含んだ土がズルズルと滑る。試しに車を降りて歩いてみたが、滑る路面に足を取られて歩くのも困難である。私の運転技術では危険と判断し、引き返すことにした。うーむ、やはり駄目だったか。頑張ってトライすればクリアできるかもしれないが、万が一スタックしたら抜け出す術はない。仲間の車がいれば引っ張り上げてもらうことも可能だが、単独行ではそれも無理。残念ながら撤退である。ジム乗りのどなたか、今度一緒に挑戦してみませんか。
山を下り、腹が減ったので飯を喰いたい。竹岡で飯と言えば竹岡ラーメンである。本当は「梅乃家」に行く予定だったが、当日は定休日のためお休み。なので竹岡ラーメンのもう一つの老舗「鈴屋」へ。
竹岡から海岸沿いの国道を少し北上した道路沿いにある。思ったよりも小さな店構え。着いたのは昼時よりも少し前だったが、店内は満席。十分ほど待ってから入店できた。連休期間とはいえカレンダー的には平日、しかも飯時を少し外れているにもかかわらず、この盛況である。
チャーシュー麺(750 円)を頼み、待つことしばし。やがて運ばれてきたのがこれだ。
なんでもスープは醤油ダレに麺茹でに使用した湯を入れて作るそうだが、確かに色合いは黒に近い濃さである。強烈に醤油の風味が効いてパンチのある味わい。麺は中麺のストレート。少し柔らかめなれど、スープに負けない存在感はある。チャーシューは肉厚でホロホロ、それが 7〜8 枚乗っており全体的なボリューム感にぐっとくる。ただ基本が醤油ベース、それもなかり濃厚な塩気があるタイプなので、後半は正直言って少しきつくなる。とまれ総じて美味い。また喰いたいと思わせる味である。
腹もくちたし、どうするか、とふと海沿いを見ると、なにやら巨大な建造物を発見。東京湾観音であった。早速行ってみる。
でかい。相当でかい。 というより馬鹿でけえ。 写真では縮尺がよく分からないが、実物もでかすぎて近くに行くと見当識を失う。
観音像の中は螺旋階段になっており、頂上(頭頂部)まで登ることが出来る。だがもちろん無料ではなく参拝料は 500 円也。しかしこれが登らずにおれようか。
324 段あるという階段を踏みしめ、20 階の天上に到着。この観音像は全高 56m だそうで、さすがにここからの眺めはなかなかの絶景である。特に海側は素晴らしく、眼前には多くの船が行き交う浦賀水道、その向こうには遠く三浦半島(観音崎あたりか)、右には富津岬、その先には東京湾が一望できる。この日はあいにく雲が厚く透明度も今ひとつだったが、晴れた日には富士山やスカイツリーも見えるという。
どうでもいいが、この観音像は全高 56m。ということは、コン・バトラー V は身長 57m なので、ほぼ同じ大きさということになる。超電磁エネルギーで動くあの巨大ロボットが、実物はこの大きさなのだと思うと妙にリアルに感じ、そしてなにやら胸が熱くなる。観音像におかれましては世界の恒久的平和を祈願しつつ、是非とも余興としてヨーヨーなぞ操っていただければありがたき幸せ。何を罰当たりなことを。
思えば千葉にも長いこと住んでいるが、まだまだ訪れたことのない見所はたくさんありますな。