年間ラウンド全十六戦中、勝利すること実に十勝と、なんだかんだで結局のところセバスチャン・ローブの圧勝で終わった今年の WRC。いやあやっぱりローブは強かったねえというか他が情けなさ過ぎなのかもうちょっと頑張れよミッコにペターにラトバラまあ来年はもう少し実力拮抗してくれれば面白いんだけどさ、などとすっかりストーブリーグの雰囲気に浸っていたところに、とんでもないニュースが。
■スズキ、FIA 世界ラリー選手権 (WRC) 活動の休止について
せっかく今年、JWRC から WRC にステップアップして、後半はそれなりに戦闘力もアップ、特に最終戦のウェールズ・ラリーでは P.G.アンダーソンが一時三位に食い込むなど大健闘、来年はかなり期待できそうな状態になっていた矢先、いきなり撤退ですか。昨今の経済不安、それに伴う自動車業界の先行きの不透明さ、そんな状況の中で経費のかかるモータスポーツへの投資を再考するというのはわからないでもないが、しかし。会社の舵取りが技術畑の稲垣氏から会長の鈴木氏へ再度変わったことから、なんとなく嫌な予感はしていたんだが。と途方に暮れていたら、今度はスバルもかよ…。
つい先日、2010 年からマシンレギュレーションを変更し、S2000 をベースにすると発表があったばかりで、こりゃ下手すると日本メーカ総撤退かと思っていたが、変革の大波がこんなに早くやってくるとはねえ。しかし最悪スバルも撤退となると、来年の WRC はシトロエンとフォードのたった二つのマニファクチャラーしかいないことになる。最早「世界選手権」と名乗ること自体、何の冗談かとさえ思えてくる。
もちろん母屋が無くなってしまったらラリーどころの話ではないのは分かる。分かるのだが、やはり車にはロマンを求めたい、とおっさん WRC ファンは思うのだがなあ。しかし残念ながらそんな悠長なことを言っている時代ではなくなったということなんですかね。私の愛するこのモータスポーツは、一体どこに行こうとしているのだろう。
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