忙しい忙しいと言っている人間ほど、実は時間の管理がなってない無能な輩であるというのは、暴論とは言えないまでにそこそこ的を射ていると思われる。これまでの経験上それは概ね事実であり、なかんずく私なぞは正にその典型であり、無能のそしりは甘んじて受ける所存であるが、いやほんとに洒落にならんくらいあれこれゴチャゴチャ忙しい。まあこうした「いそがし話」とは一種の自慢話と「差不多」であって、聞かされる(blog の場合は読まされるか)方は面白くも何ともないので詳細はどーんと省くが、最近「どげんかせんといかん」という某県知事のつぶやきが頻繁に頭の中でこだまする昨今な私である。
とふと気がつくと、北京はすっかり寒いのだった。ついこの間まで暑くも寒くもないまずまずの気候だった気がするが、もういきなり寒い。何度確認しても、やっぱり寒い。今年もついに冬が来てしまった。認めたくはない。しかし季節が巡るのは自然の摂理。厳粛に認めなければならない。
北京は、秋が最もいい季節だといわれる。そんなもんかね、と以前は思っていたが、ここに三年も暮らせば誰でも分かる。夏はめちゃめちゃ暑く、冬は死ぬほど寒い。春は黄砂で人も街中も全てが真っ黄色になる。秋しかないないのである、いい季節は。
その秋が終った。終わってしまった。実に短命であった。思い起こせば一ヶ月ちょっと前、国慶節の休みの前あたりまでは半袖で過ごしていた記憶があ る。その後、休みが終わってだいぶ涼しくなってきたかと思い、そして一週間ほど出張で北京を離れているうちに、もうコートなしでは外出できなくなっている。秋は二週間か三週間くらいしかなかった。まあこれも例年通りの短さではあるが、しかしこうもあっさり過ぎ去ってしまうと郷愁も何もない。
ちなみに天気予報によれば、今朝の最低気温はきっかり 0℃。通勤途中に眺めた郊外の畑は、一面霜が降りていた。日中も 10℃ 程度の予想である。日本の関東地方の感覚からすると、すでに真冬だ。しかしこれでも寒さはまだまだ序の口なのだ。本格的に寒くなると、-10℃ を軽く下回るくらいにまで冷え込む。なんでも今年は例年に比べて冬の訪れが早く、今年の年末から来年にかけては相当寒くなるらしい。恐ろしいことである。
こうした厳しい寒さを乗り越えるために、北京には「暖気」という大変ありがたい暖房設備が市内のほぼ全ての建物に設置されている。これはいわゆるスチーム暖房のことで、熱水が部屋中を走り、真冬でも室内では薄着で過ごせるほど快適なものである。もちろん我が家にもこの「暖気」は設置されていて、各部 屋はもちろん、トイレやバスルームまで、形や大きさは若干違えど、家の中の各所に白いスチーム装置が実戦配備されている。
この「暖気」システムだが、実は全て国(正確には地方政府)によって管理されているのだった。暖房が入る日も切れる日もお上によって決められていて、また暖房代も 1 平方 m ごとにいくらと決められ、建物の広さによってそれぞれ額が違うらしい(単位面積あたりの金額は毎年変わるそうだ)。まあ暖房費が徴収されるのはともかくと して、せめて暖房の入り切りぐらいは住民ユーザに決めさせてくれても良いような気もするが、何事も一斉に初めて終わるというあたりがいかにも社会主義国家らしい方式ではある。いくら寒かろうがなんだろうが例外は一切なし。しかしその日が来たら、今度は問答無用に使うべし。お上の言うことには(表面上は)絶対服従がこの国の掟。国の定めには粛々と従うのが同志たる人民の正しい姿なのであった。いや私は同志じゃないですけれど。
だがそんな素晴らしい「暖気」システムの開始日は、11 月 15 日なのだった。しかして今日は 10 日。今週いっぱいは持ちこたえねばならない。長い。はるかに遠い。さらに天気予報によるとこの週末、北方から寒気が流れ込み、一気に冬が進むとのこと。寒い。しんしんと寒い。なんなら信念も信条も全て捨て、真っ赤に染まった同志の一員に加わらせていただく所存ですので、せめて二日か三日、フライングで稼働してもらえないものでしょうか。
家でコートを着込んでnet中のネコバカです。さ・・寒い~!!
本当に早く暖気が始まって欲しいですね。今の私のささやかだけど最大の願いです・・・
アパートの入口には「13日から」ってアナウンスが貼ってありましたが、暖気は未だに冷たいまま・・・。ぬか喜びしてしまいました
投稿情報: nekobaka | 2008年11 月13日 (木) 18:27
そういえば通知が貼ってありました。
でも確か「11〜13日に試運転をする」としか書いてなく、本格始動はいつとは
書いてなかったような。
しかし今日はすでに14日。そもそもの試運転すら為された気配もなく。
本当に暖気、入るんだろうか。
投稿情報: ハマダ | 2008年11 月14日 (金) 09:10