北京の長富宮飯店(ホテル・ニューオータニ)に、北京オリンピックに合わせて「JOC JAPAN HOUSE」なるものが設営されている聞き、暇なので行ってみた。
もともと長富宮飯店は、在北京日本商工会議所や日本人会の事務所などがあり、北京で暮らす日本人にとっては、ある意味大使館よりも身近な場所である。今回のオリンピック期間中も、一部の選手を含む日本のオリンピック関係者が多数泊まっているらしい。
ホテルの入り口でセキュリティチェックを受ける。奥に進み JAPAN HOUSE の受付でパスポートを提示して中に入れる。当然ながらスタッフもやって来ている人たちも全てが日本人なのだが、なんだかこんなにたくさんの日本人を見るのは久しぶりな気がする。
中にはオリンピックに参観している選手全員の写真や、すでに終了した試合の写真、選手の公式ユニフォーム等が飾られている。ホールにはステージがあり、椅子やテーブルが並んでいた。またホールの壁際には協賛企業のブースがあり、ちょっとした記念品(ボールペンやピンバッジ等)が配られている。一日遅れの読売新聞首都圏版も無料で配布されていたのでもらい、むさぼるように読む。いややっぱり日本の新聞は読みやすいわ。中国の新聞は紙面がゴチャゴチャしずぎて何がどこに書いてあるのかよくわからんのだ。単に慣れの問題かもしれんが。
会場内にはモニタも至る所にあり、複数の中継も可能になっている。実際、ちょうど我々が到着した時に、競泳 100m 平泳ぎで見事金メダルを獲得した北島康介選手の表彰式をやっていた。しかしこのプレッシャーかかりまくりの大舞台で公約通りの結果を出し、さらに世界記録のオマケまで付けるとは、どんな化け物か。
フロア内をうろうろしていると、タレントの草野仁を発見。何かテレビの取材だろうか。思わず「おおっ、スーパーひとし君そっくり」と倒錯した感想を思う。その他フィギアスケートの荒川静香(こちらもテレビの仕事か)や野球日本チームの日本ハムの稲葉、阪神タイガースの藤川球児、柔道 100kg 級の鈴木桂治選手などがフラフラ歩いているところにすれ違う。皆さん、選手村ではなくここに宿泊しているらしい。まああんなところにいたら落ち着かないし、何を喰わされるかわからんからなあ。
どうでもいいが鈴木桂治選手、T シャツに短パンとラフな格好だったが、さすが重量級の柔道選手だけあってもの凄い体格。正に全身筋肉、歩く戦闘マシンという案配。何人かで連れ立って「焼き肉焼き肉」とかいう会話が聞こえたので、これから昼飯でも喰いに行くのだろうか。カルビ 10 人前とかペロリと平らげそうである。
その後、昨日の競技でメダルを取った選手がやってくるとのこと。なんでもここで日本選手団長からメダリストに記念品が贈られるセレモニーがあるのだという。昨日は男子柔道の内柴選手が金、女子柔道の中村選手が銅メダルを取ったが、その二人がやって来るらしい。会場の最前列シートに座ってしばらく待つ。
やがてメダリストの二人が登場。どちらも軽量級なのでかなり小柄な体格だが、ジャージの上からでも鍛え上げられた肉体が想像できる。やっぱり世界最高峰のトップアスリートが放つオーラはひと味違いますな。
ずらっと並んだテレビカメラやカメラマンの前でちょっとしたインタビューと、プレス向けの写真撮影が行われた。内柴選手はこれでアテネに続いて二連覇という偉業を達成で、ようやくこれでほっとしたという気持ちが言葉の端々からも表れていたが、中村選手の方は決勝で敗退しての銅メダルが悔しくてしょうがないよう。世界で三番目に強いんだから十分素晴らしい結果だと思うが、これでは本人は納得できないのであろう。なにせまだ十代、チャンスはこれからもある。まずは四年後のロンドンで一番高いところに立つべく精進してほしい。
この「AOC JAPAN HOUSE」はオリンピック期間中、毎日こうして開設されているそうなので、暇があればまた来よう。なにせエアコンが効いて涼しいし、やたらデカイ声で「加油!加油!」と騒ぐどこかの国の連中と違って訪れる人たちは皆さん節度を保ってオリンピックを楽しんでいるし、なにより日本語で日本人だけの試合が見られるのがありがたい。CCTVや北京テレビはやっぱりつまらんのよ。
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