2007 年の WRC も先日のラリー・イングランドにて全ての日程が終了し、さて来年はどんなシーズンになるのかと思っていたら、意外なところから意外なニュースが飛び込んできた。
■山海堂、12月3日付で業務停止、解散へ(新文化 12月4日)
山海堂(東京・本郷、資本金6000万円、松元龍治代表)は12月3日昼ごろ、全社員を集め解雇と解散する旨を伝えた。同日業務を全面的に停止し、債務整理を長屋憲一弁護士(TEL03-5226-1122)に一任した。信用調査機関の調べによると、平成18年2月期の時点で売上高は10億円、金融機関の借入金は10億円。負債は約17億円程度と推計される。今後について長屋憲一法律事務所では「現段階では未定。一両日中に方向性を決定」と話している。社屋はロックアウトされ、社員は解雇されている現状から自己破産の手続きがとられることが濃厚とみられる。
マジですか。
山海堂と言えば、理工学、土木系の技術書などの良書を発行することでその筋には有名な出版社だったのだが、我々モータスポーツファンにとっては数々の車やオートバイク、レース関連の雑誌でおなじみ。特に日本では老舗にして今や稀少でもある WRC 専門誌「Rally-X」は、日本の WRC マニア達の唯一の情報雑誌であった。もちろん私も創刊当時から十数年にわたる読者で、海外に暮らすようになってからも定期購読契約してわざわざ日本から送ってもらっていた。まあしかし、「日本唯一」と言っても所詮は WRC。日本の知名度や人気を鑑みると、発行数などは他の自動車雑誌や F1 誌に比べれば微々たるものだろう。最近は出版界に不況の嵐が吹き荒れ、大手でさえアップアップのところが多いとも聞く。この手の良書を多く出しながらも、ジャンル的にはあくまでも堅く、かつマニアックな出版社は相当厳しいのが現状だろう。
しかし出版業界の内情は寡聞にして全く知らないが、これでも肩書き的には会社のエライ人として言わせていただくならば、売上高 10 億円の会社で借入金 10 億円、負債 17 億円とは、どう考えても尋常な額ではない。普通の会社のキャッシュフローであれば、こんな大負債になる前にとっくに潰れているはずである。想像するに、今まで綱渡りでなんとかやって来たものの、何か決定的な失策で完全ショート、ギブアップということになってしまったのでは。まあ人様の会社なのでいい加減なことは言えないが、おそらくそういうストーリーだったように思われる。
それにしても、当然ながら「Rally-X」はあえなく廃刊である。もうあの独特の誌面が読めなくなるのは大変悲しく、そして大変困る。どこかの出版社が引き継いでくれないものだろうか。
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