に、日本は三連休かーっ。
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先週末は日本の本社からお客さんがやって来たので、そのアテンドなど。一人は何度か北京に来たことがあるが、もう一人は初の中国上陸である。打ち合わせやらその他の仕事やらを終えた後、やはり北京名物ということで北京ダックを喰いに行く。今回は三環沿いにある老舗「大董」。個人的には前門にある「利群」のダックが一番好きなのだが、「大董」ももちろん美味い。さらにメインのダックに加え、鴨の肝臓、舌、心臓、腸、水かきなど鴨づくしの料理を選んでみたが、どれも好評。特に心臓の炒め物は喜んでもらえた。ダックと肝臓は「利群」、心臓は「大董」というところか。
ダックその他を喰いながらビールやら紹興酒やら白酒やらを飲んでいたが、もう少し飲むかということで、市内某所のカラオケスナックへ。えー、一応書いておくが、我々がこういう時に行く店はたしかにおねーちゃんはいるところなれど、日本人向けの至極健全かつ真っ当なカラオケ屋である。この頃は以前に比べるとだいぶ少なくなったそうだが、いろいろとヤバイ感じのカラオケスナックもまだまだあると聞く。中国でも当然ながら「そういうこと」は御法度。特に最近はオリンピック前ということもあって、「クリーンな北京」を標榜する市政府の指導は大変厳しい。旅の恥はかき捨てとばかりにそういうところに迂闊に入り、警察の手入れにあって摘発逮捕、哀れ国外退去になった日本人駐在員も少なからずいるらしい。君子危うきに近寄らず。中国の昔の偉い人は良いことを言う。
適当に酒を飲みつつ、では一発歌でも、と思ったところ、何か中国の歌は歌えないのかという。ベタで行けば周華健の「朋友」あたりだが、ありきたりすぎて面白くない。思いついたのが「猪都笑了」であった。
この歌「豚は皆笑った」は「単行道」なるグループ(なのか?)による曲で、中国国内でヒット、カラオケの定番にもなっているらしい。前半は最近の中国の様々な問題を面白おかしくちゃかした内容だが、最後のサビの部分で突然、反日的な歌詞になるというもの。YouTube にプロモーションビデオが上がっているので、まずはこれを見ていただきたい。
歌詞を訳するとこんな感じだ。
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豚は笑った
豚は皆笑った
北京人が言った 俺のところは黄砂が多い
すると内モンゴル人が笑った
内モンゴル人が言った 俺のところは面積が広い
すると新疆人が笑った
新疆人が言った 俺のところはやたらと民族が多い
すると雲南人が笑った
雲南人が言った 俺のところは海抜が高い
するとチベット人が笑った
チベット人が言った 俺のところは文化財が多い
すると陝西人が笑った
陝西人が言った 俺のところは革命が早かった
すると江西人が笑った
江西人が言った 俺のところは辛い料理が食べられる
すると湖南人が笑った
湖南人がいった 俺のところは美人が多い
すると四川人が笑った
(中間のセリフ)
「私ら四川妹子は、四美人って言うのよ」
「私ら東北娘もイケてるでしょ?」
「四川人も湖南人も江西人も皆兄弟。竜の末裔じゃねえか。皆来い皆来い。酒飲もうぜ。相互尊敬、友愛団結。酒だ酒だ、コップもってこんかい」
山東人が言った 俺のところは経済良好
すると上海人が笑った
上海人が言った 俺のところはは民工(出稼ぎの農民)が多い
すると広東人が笑った
広東人が言った 俺のところは金持ちが多い
すると香港人が笑った
香港人が言った 俺のところは二号さん(愛人)が多い
すると台湾人が笑った
日本人が言った 日中友好
すると中国人が笑った
「油断するな!」
日本人が言った 俺たちは平和を愛する
アジア人がみな笑った
「この羊の皮をかぶった狼野郎!」
日本人が言った 俺たちは世界の平和を守る
アメリカ人が笑った
「ジャップ!」
日本人が言った 俺たちは人だよ
全世界の豚は皆笑った
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要するに日本人なんて豚以下のクソ野郎。日中友好?平和だと?豚以下の下等動物が何を言うか、というところか。まあ冗談なのかマジなのか微妙なところだが、下品は下品。サッカーの試合で国歌吹奏の時にブーイングしたり国旗を燃やすような民度の低い国民性ということを考えれば、まあそりゃ流行もしますわな。
それはそれとして、ここ数年、中国中央政府が必死になって我愛日本(日本大好き)大キャンペーンをぶち上げている最中に、こういうあからさまな反日ソングが流行るというのはなかなか興味深い。一昔であれば中共の言うことは絶対であり、表面上であれ、人民は粛々と従うものと相場が決まっていた。中国人民の中に日本に対する恨みつらみ、反抗心、そして嫉妬心が未だに根深いからだとしても、やはり中共の影響力や求心力が目に見えて低下している現れである。もちろん半分シャレ、半分ダシに使われているとは言えこんな歌、当の日本人としては正直言って胸くそ悪いのは当たり前ですけどね。
しかし来年の北京オリンピック、体操や柔道、水泳、野球、卓球、陸上、その他諸々の会場で日本人選手が競技している最中にこの歌が大合唱されたらさぞ面白かろう。世界中の笑いものになるのは、はたしてどちらか。
ちなみにカラオケ屋のシステムは日本語の歌ばかりだったので、この歌は入ってなかったのが大変残念。いつか中国人ばかりいる前で、大声でシャウトしてみたい私である。
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