中国の祝日は日本と比べるとはるかに少ない。日本は年間 17 日の祝日があるが、中国は 10 日である。それでも春節、労働節、国慶節の各三連休に伴う都合七日間の大型連休が年に三回あり、少ないながらも一応は生活の区切りとリフレッシュ、それに旅行などの余暇期間としてありがたい存在であった。
しかし近年の急激な経済発展に伴って人民の生活レベルが上昇。連休を利用した旅行ブームが爆発的に発生した。しかしとにかく人口の多い中国のこと、皆が一斉に旅行を始めれば、その数も半端ではない。結果、大量の都市部市民が観光地に押し寄せ、観光資源の破壊が進み、自然環境への影響も無視できなくなった。交通機関も大混雑でにっちもさっちもいかなくなることもしばし。北京の故宮や万里の長城などでも、連休中は正に芋洗い状態。とてもじゃないが、普通に見学できるような観光客の数ではなかった。
こうして連休中はどこも人で溢れかえる一方で、逆に連休以外はまったく人がいないというところも少なくない。ピーク時との差があまりにも極端になってしまい、観光地を運営する方にとってもありがたくない状態がつづいていた。こうした弊害についてかねてから論争が続いていたが、ついに先日、中国国務院常務会議から祝祭日に関する新制度が発表された。
発表によると、この新しい祭日制度では、労働節の三日間の連休が廃止されることが決定。そのほか農歴(旧暦)が未だに人民の生活の中で重要視されている現状を鑑み、それら伝統的な「節目の日」が祭日とされるなど、大きな変化があった。
ということで、来年 2008 年の祝日は以下である。
● 元旦 : 1月1日~3日
● 春節 : 2月6日~12日(2日・3日の土日は稼働日)
● 清明節 : 4月4日(4/4~6 の三連休)
● 労働節 : 5月1日~3日(4日の日曜は稼働日)
● 端午節 : 6月8日(6/7~9 の三連休)
● 中秋節 : 9月14日(9/13~15 の三連休)
● 国慶節 : 10月1日~7日
当初から言われていたとおり労働節が三日間に短縮されたものの、その分の祝日が清明節、端午節、中秋節に分散された形になった。年間の祝日数も 10 日から 11 日に増加しているとのこと。
まあしかし、来年のカレンダーがこの年末も押し迫った時にようやく決まるというのも、いかにも中国らしいというかなんというか。特に直近では春節の休みが今までと違って一日ずれているのがポイントか(これまでは旧暦の新年から七日間が休みだったが、来年は大晦日から七日間に変更)。すでに春節の交通機関チケット争奪戦が始まりつつあるようだが、いろいろと予定を立てていた人たちは混乱を来しているに違いない。人民の生活を考慮しているようで、じつはこれっぽっちも考えていない傍若無人っぷりが微笑ましい。
ともあれ、これでひとまず来年の祝日は決定である。労働節が短くなるのは少し残念だけれども、今まで存在しなかった三連休がいくつか増えて、これはこれでありがたい。あとはオリンピック期間中の特別措置だが、これはおそらく年内にはなんらかの発表があるはず。まあ期間中まるまる休みなんてことはないだろうけど。
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