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オランダ出身のシンフォニック・ゴシック・メタル・バンドの重鎮、WITHIN TEMPTATION の四枚目スタジオアルバム。壮麗、荘厳かつ重厚なオーケストレーションにメタリックなヘヴィネスを溶け込ませるという基本路線はそのままに、前作でその傾向が強くなってきたコンテンポラリーな要素をさらに推し進め、ある意味順当な進化と言える新作。
ただ今回はちょっとパターンにはまり気味というか、幾分安易とも思えるポップさと、いわゆるところの「EVANESSENCE化」が若干気になる。それでも Sharon den Adel の、正に天界から降臨した天使の如き可憐な歌声には心奪われてしまうし、また楽曲の方も、ポップになりながらもこれぞシンフォニック、ゴシックという、心洗われるような荘厳さと静謐に溢れており、どれも粒ぞろいの佳曲ばかり。さすがこの道十年、王道耽美派ゴシック・メタルの頂点に君臨するプライドは伊達ではない。それでも前作、前々作あたりと比較すると、インパクトという点では少し弱めか。これで絶対的なキラーチューンがあれば完璧だったんだが。
まあそれもこのバンドに期待するレベルがあまりに高いゆえであって、一般的な基準であれば十分高品質なアルバムである。メタル一辺倒でないポップな曲調は、メタルヘッドだけでなく一般的なリスナーにも十二分に訴求力があると思われる。エンヤあたりが好きな人にもおすすめです。
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