娯楽施設の少ない北京ではあるが、ちゃんとテーマパークだってある。それが「北京石景山游来園」だ。北京の西側、西五環という大きな幹線道路沿いにあり、そこそこ賑わっているらしい。ちなみに私はたまにそばを通るが行ったことはない。
で、このテーマパーク、外観からしてなんとなくどこかで見たことがあるような気がしないでもない感じがするわけだが、肝心の中身もかなり強烈なのだった。
まずはスローガンである。題して「ディズニーランドは遠すぎる」。いやまあ、そりゃ北京から香港も東京もアメリカもフランスもあまりに遠いには遠いけれど、仮にもライバル施設なんだからその言い草はどうか。
そして中である。いきなり目に飛び込む「シンデレラ城もどき」にはじまり「マジック・キングダム」のレプリカが設置され、園内スタッフが白雪姫と 7 人の小人たちに扮したり、ドナルドダックやミニーマウスが場内を闊歩したりするなど、「ディズニーテイスト」満載の雰囲気らしい。
ところがこれら全て、勝手にやっているのだった。ディズニーに許可なぞ取っていない。勝手に施設を作って勝手にキャラクタの着ぐるみを作り、勝手に園内を闊歩させている。ある意味「ディズニーランドは遠すぎる」というスローガンを本当に実現しているわけだ。
まあここまでなら「中国だからしょうがねえか」という感じではある。なにせ著作権意識など皆無のこの国のこと、車でも電化製品でもなんでもかんでもパクって商品にしてしまう。ディズニーキャラクタだって街を歩けばいくらでもパクリ製品が目につく。テーマパークを丸ごとパクったところで今さら驚きはしない。しかしこの施設が凄いのが、ここは「国営」であるということである。あろうことか国のお墨付きで堂々とパチもんを作り、人民から金を巻き上げているわけである。
当然ながらディズニーと米国政府は激怒。ディズニーは版権に非常に厳しいそうなので、このままで済むはずはないと思うが、しかし中国のことだから「動物を元にしたキャラクタだからある程度似るのは仕方がない」とか、「ディズニーキャラクタはすでに国際的な財産である。よって『パクリ』は無罪」とか言い出しそう。来年、本当にオリンピックは開催されるんだろうか。
しかし中国って、やっぱとんでもない国だわ。
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