いよいよあと一年ちょっとに迫った北京オリンピック。オリンピックに向けて、北京の街中では関連施設の建設が急ピッチで進み、地下鉄工事も毎日毎夜ガンガン掘り進んでいるようである。例のちょっと微妙なマスコットも街の至るところで見かける。
そういえば先日、チケット料金も発表されたようだ。それなりに気分は盛り上がってきたというところか。
ということでオリンピックである。国家レベルの大イベントである。今や世界に冠たる(かどうか微妙だが)経済大国、中華人民共和国。世界の中心に君臨する唯一無二の大国として、ここは一発かっこいいところを見せたい。というか、まずいところは見せたくない。面子と見栄を生きる信条とするこの赤い国で、世界が注目するこのイベントは絶対に失敗するわけにはいかないのである。とりあえず、国家予算級のとんでもない金をつぎ込んで施設やインフラなどのハード方面はなんとかなる。問題はソフト方面、というより本当の中国の姿の方である。一般的かつ普遍的かつ文化的視点からいって、とにかく中国人のマナーは悪い。
よく言われるように、誰も電車を待つ時に列に並ばない。信号は平気で無視する。横断歩道で人が渡っていようがいまいが、一時停止することなく車が突っ込んでくる。建物の入り口で後ろの人のために扉を手で押さえるなんて、そもそもそういう意識がない。老若男女誰もがところかわまず痰を吐きまくる。人混みの中でもタバコを吸いまくる。繁華街だろうがレストランの前だろうがお構いなしに路上で子供におしっこをさせる。大声で携帯電話でしゃべりまくる。ビジネス街でも上半身裸のおっちゃんがプラプラ歩いている。一年半以上北京で生活してもうすっかり慣れたが、最初はやはり驚くことが多かった。
このような状況で、さすがにこれじゃまずいと思ったのか、ずいぶん前から街中や地下鉄などにマナー改善を促すポスターがたくさん貼られている。しかしそのすぐ横で年若いおねえさんは豪快に痰を吐き、見事な太鼓腹をつきだしたおっちゃんが我先に地下鉄の券売所に突進するわけである。正直言って、あと一年そこらでマナーが改善するとはとても思えない。
そこでである。もうこうなったら開き直るしかないのではなかろうか。話し声がでかくてもいいじゃないか。人前で腹をボリボリ掻いてもいいじゃないか。ご飯の喰い方が汚くてもいいじゃないか。横はいり上等。痰吐き最高。信号なんか糞喰らえ。これが中国だ文句があるか。外交や経済同様、マナーの面も世界に向けてごり押しする。残り一年、もうこれしか方法は無いように思うのである。
まあそもそも、世界の誰もが中国でマナーなんか期待していないような気もしますが。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。