人生にはメリハリが必要なのは、至極当然として思われていることである。どんなにワーカホリックの人だってずっと同じペースで仕事をし続けることは出来ない。普段は頑張って働いて、たまに休んで「減り(メリ)」状態に体も心も落ち着かせ、そして再び「張り」に遷移する。個人的な経験からすると、休みもなく気を入れて仕事をし続けられる期間というのは、だいたい二、三ヶ月が限度である。それを過ぎると体の調子も頭の回転もおかしくなる。こうしてみると数ヶ月ごとにやってくる盆暮れ正月やゴールデンウィークという比較的長期の休みは、まずまず合理的に出来ていると思われるのである。
ただしそうした長期の休みにも問題がある。休みの間に「メリ」まくった頭を、はたしてどれぐらい「張り」に戻すことが出来るかということである。これは携わっている仕事の内容にもよる。だんだんとペースを上げて徐々にフル回転にすればいい仕事ならまだいいが、休み明けの朝からいきなりアクセル全開を求められる仕事の場合だと、これがまたかなり厳しい。
日本にいたころはどちらかというと前者であった。技術屋という職業柄、比較的長期間にわたる検討や考察の末に結論を出すという仕事が多く、その場で何かを即決するタイプのタスクはほとんどなかった。しかし今は違う。あれもこれもその問題も、すぐに判断して指示を出さないと諸々に支障をきたす。さらに休み前にそのままにしておいた、出来ればそっとしておきたいあの案件も、いきなりそのツケがやって来る。「メリ」こみまくってさっぱり回らない脳神経を鼓舞し、海馬と大脳皮質をフル回転させる。たまに脊髄反射が混ざってしまうが、それはまた後で考えることにする。
オーバヒートしつつある頭をかかえ、ふと次の休みはいつだったかと考える。おお、十月の頭には国慶節(中国の建国記念)でまた一週間休みではないか。あと一ヶ月半。それまでなんとか「ハリ」状態で乗り切ろうと思う私である。まあ多分途中で挫折して「メリ」に戻る気がしないでもない。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。