北京は地震の類はほとんど起きることがない。実際、一年間暮らして一度も地震はなかった。
だが本日昼前、自分のデスクで仕事をしていると、グラグラっと地面の揺れ出す気配がした。最初は表の通りに大きなトラックでも通ったか、近所の工事現場の振動が伝わったのかと思ったが、ユラユラとした揺れは収まる気配がない。これは地震か?でも大したことはなさそうだな、と再び作業中の PC に目を向けると。
「あいやー!」「ぎゃー!」「なんだこりゃー!」「地震よ!地震よ!」
中国人スタッフ大騒ぎである。
「地震ですよ地震!ヤバくないですか」と向かいに座る同僚が必死の形相で尋ねてきたので、「大丈夫、大丈夫。全然大したことないって」と答えてあげた。実際、揺れは本当に大したことなく、せいぜい震度 2 かそこらというところだろう。しかし中国人スタッフはやはり「長い間地面が揺れる」ということに慣れてないのか、皆かなりビビっている。揺れが収まってもまだ興奮状態なので、うちのボスが「没問題、没問題。大したことないから仕事に戻れ」と号令をかけてようやく落ち着きを取り戻した。
午後、打ち合わせのために会議室に行くと、先ほど起きた地震の話で持ちきりであった。いやいや、あんなの全然大したことないし、あの程度の揺れじゃ地震のうちに入らないよと言うと、どうしてそんなに冷静でいられるのか、と逆に不思議がられた。そんなこと言ったって日本じゃ毎日のようにどこかで地震があるしなあ。もっと大きな地震も頻繁に起きてるもの。「ってことは、日本はいつもこんな感じでグラグラ揺れてるんですか?」と中国スタッフ。いや、さすがにそこまでは。でもまあ、揺れてるか。って、おい。そんなの信じられないという顔で俺を見るのはやめなさい。ほんとなんだから。
ちなみに北京ではここのところほとんど地震はないが、実際に三十年ほど前には北京近郊でかなり大きな地震があり、それなりに被害もあったという。北京市の下には活断層が通っているそうで、今後も同じような地震が起きないとは言えないわけである。そうなると昔ながらの古い建物はともかく、今バンバン建てているビルも耐震性はちゃんと考慮されているのかが気になる。建築中のビルの壁を見ると、レンガを組み上げただけのところも結構あって、大きなお世話ながら不安な気持ちにさせられる。ともあれ、少なくとも私が北京にいる間は大きな地震が起きないことを祈るしかないわけだが。
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