来週からの日本出張のための準備やら何やらで毎日毎日イヤになるほど忙しく、気がつくと三月になっておりました。あまりの忙しさに blog の更新もままならず。まあ単に面倒くさいだけですが。とまれ、とりあえず生きてはおります。
そんな忙しい折にも健康な成人男子の常として、やはり腹は減るわけである。腹減った。何か喰いたい。どこぞに喰い行こうかしらん。しかしいつもの中華や日式ラーメンは、それこそ少々食傷気味。そこで頭に浮かんだのがお好み焼きである。
何故お好み焼きか。おそらくつい先日、我が家で唯一視聴できる日本語テレビ放送である大 NHK の、“ためして何やら”なる番組で、お好み焼きが紹介されていたのを見たからであろう。その時の鮮烈な映像が、私の脳内海馬短期記憶野にインプット。そしてその後、視床下部腹外側核に空腹刺激が発生したとき、短期記憶野にため込まれたイメージが同時発生的に発火したと思われる。シナプスを激しく刺激しつつ、軸索から軸索へ高速に伝搬される黄色い物体のイメージ。前頭葉眼窩野部に漂う、甘いソースの香り。そして大量に分泌される神経伝達物質。空腹がイメージを喚起し、イメージがさらに空腹を加速する。はーらーへっーたー。俺にお好み喰わせろ。
ということで訪れたのが、お好み焼き屋「武之助」である。ここは北京で数少ない本格広島風お好み焼きの店として知られ、当然ながら在北京日本人の間ではそれなりに知られている店だそうだ。この店に行くのはこれが初めてだが、さすがに日本人の客が多い(と言うよりほとんど日本人だ)。店内は座敷もあり、いかにも日本の普通のお好み焼き屋という感じ。あまりに日本日本しすぎて、ここが北京の街中とは思えないほどである。
席に座って日本語で書かれたメニューをめくり、いろいろ迷ったのち、結局定番の「広島焼きダブル」とビールを 1 本オーダして待つことしばし。
やって来たお好み焼きは、かなりのボリュームである。ちなみにダブルとは、中に入っている麺の量が倍になっているかららしい。さっそく箸とへらを使ってざくっと割ると、薄皮にサンドイッチされた状態で麺がギッチリ詰まっており、甘めのソース(やはりこれは広島産のオタフクだろうか)と絡めて喰らうと大変美味し。またその麺の下にこれまたたっぷりのキャベツが入っている。このキャベツのシャキシャキとした歯ごたえが心地よく、また甘みが強くてこちらも大変美味い。麺やキャベツに比べると肉の量が若干少なめだが、しかしこれで肉もダブルで入っていたらボリューム過多になるから、これぐらいがバランス的にはちょうどいいのかも。
脳内麻薬をドパドパと分泌させつつ一枚平らげると、すっかりお腹一杯である。お値段は二人で 70 元(約1,000円)也。北京の外食相場を考えるとそれなりに結構な値段だが、このボリューム、この味なら十分お釣りが来る。
ともあれ、これで私の脳内長期記憶野にお好み焼きのイメージがしっかりと組み込まれた。何かのきっかけで記憶が蘇り、またお好み焼きが喰いたくなったら、この店に来てみることにする。
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